長寿陥落の原因について迫る危ない長寿の島。きょうは我々の世代に今増えている怖い「心臓突然死」についてです。秋山記者です。
秋山記者「『心臓突然死』という言葉あまり聞きなれないかもしれませんが、突然亡くなってしまう『突然死』というのはご存じですよね?その中で最も多いのが心臓の病気が原因となるものです。代表的なのが急性心筋梗塞なのですが、実は、沖縄では10年余りで4割以上増え、長寿崩落の原因の1つと言われています。」
ではなぜ、急性心筋梗塞が多いのか、那覇市立病院循環器内科の問仁田先生に聞きました。
問仁田医師「沖縄の特徴としては脂肪の食べ過ぎによる動脈硬化性の疾患ということで、特に急性心筋梗塞、心臓の血管が急に詰まってしまう病気です。命に非常に重大な影響を及ぼす疾患が非常に多くなっている。特に若年者を中心に多くなってきている。」
突然やってくる胸が締め付けられる苦しさ、そして冷や汗。代表的な心筋梗塞の症状です。「急性心筋梗塞」による死亡率は長寿が転落した95年ごろから全国平均を上回り続けていて、年齢別でみると、男性では40代から50代にかけて、女性では30代から40代にかけて多く、沖縄の特徴が見て取れます。
一番の原因は、やはり食生活の欧米化によるものだといいます。
問仁田医師「油を食べる量が全体の食事のカロリーの中で油の占める割合が沖縄県は日本一高い。あとは魚を全国一食べない県として言われているそういったものも原因。」
中でも、問仁田先生が指摘するのがコレステロールの摂取量。これは日本人とアメリカ人のコレステロールの摂取量を比べたもの。食の欧米化と言われますが、実は今、日本人はアメリカ人よりコレステロールを摂っているのです。
問仁田医師「アメリカでは法律や学校教育で減らす努力をしてきてそのために摂取量が減ってきている。逆に日本人の特に沖縄県は脂質コレステロールを含めた脂を摂りすぎると学校教育でもなされていないのが大きな差になってきている。」
秋山記者「心臓突然死を引き起こす原因はとてもたくさんあります。ただ、全く持病がない人にとっての危険因子がこの「コレステロール」なんですね。コレステロールと聞くととにかく悪いものというイメージがありますが、血中のコレステロールには悪いコレステロールといいコレステロールがあります。バランスがいいと問題ないのですが、悪玉が高いと動脈硬化につながり心筋梗塞などを引き起こすんですね。」
健康診断の血液検査で値が出ていますよね?どのくらいの値であれば心筋梗塞を防げるのでしょうか?
秋山記者「問仁田先生その値についてちょっと驚くべきことをおっしゃっていました。」
問仁田医師「明らかに日本の正常値は高いと思われる。心筋梗塞にならないためにはこの悪玉コレステロールをどこまで下げられるかというデータもありますので、一番低いのはLDLを50まで下げたとしてもよりいい方に心筋梗塞を予防したというデーターがあります。」
悪玉コレステロールは低い方がいい。では、どうしたら減らせるのか、こちらの病院では今月コレステロールを下げるための食事について講習会が開かれていました。
伊是名管理栄養士「コレステロール意識して食事してます?あんまり考えないですか?コレステロールになりやすい動物性の脂を入れないということそれと落としやすい油を使うということ。」
栄養士の伊是名さんは、『コレステロールを下げること』イコール『あぶらを摂らないこと』ではないと話します。
伊是名管理栄養士「何もかも油を全部減らす方がいる。何もかも蒸す、茹でる、生みたいな料理法を選ぶ。効率的に体の中性脂肪やコレステロールが燃えない。使われにくいんですよ。」
肉の脂やバター、チーズ、卵などではなく植物油や魚の油をちゃんと摂ることがコレステロールのバランスを整え、血管の状態を良くしてくれるのだということです。また、沖縄の人にとって摂取量が少ないとされる、野菜や海藻を多く摂ることもポイントだそうです。
通院中の女性「油は気を付けています。でもやっぱりこれだけじゃよくないとおっしゃってましたね。」
研修医1「もう一から改善したいですね。外食が多いのでこれから長い目で見ると、こういう食生活は将来にかかわってきそうで今から直したいと思った。」
秋山「今回はコレステロールを主に取り上げましたが、特に女性は中性脂肪も注意が必要ですし、尿たんぱくなども危険サインだということで早めに気づいて、改善していくことが突然死にならない心がけと言えそうです。」
原因を上げればきりがないというくらい心臓を脅かす危険因子は多いということで、怖くなりましたね。コレステロール値チェックしたいと思いました。以上危ない長寿の島でした。