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自民党県連顧問・西田健次郎顧問「我々が辺野古しかないでしょうと。言わない人を応援、演説できないんですよ。稲嶺さん、今の市長と差がなくなるでしょ。それで選挙戦えないんですよ。」

冒頭お聞き頂いたのは、辺野古への基地建設を推進する自民党県連の顧問・西田健次郎さん。辺野古の埋め立て申請に対する仲井眞知事の判断に注目が集まる中、一方で、名護市長選挙は保守系の候補者が割れ、混乱しています。

かつて一緒になって「辺野古推進」の立場をとってきた人たちがなぜ分裂の危機にあるのか、そこには複雑な背景がありました。

先月、宜野湾市である会合が開かれました。普天間基地の辺野古移設を推進する人たちでつくる会。そこには、この人の姿もありました。

島袋吉和前名護市長「皆さんに支援いただいて、ようやく出馬することができますと。これからもよろしくお願いしますと。」

出馬会見を翌日に控えたこの日は多くのマスコミの注目を集めました。

辺野古沿岸部の埋め立て申請に対する仲井眞知事の判断の時期が迫る中迎える名護市長選挙。海にも陸にも新しい基地を作らせないと訴える現職の稲嶺市長に対し、保守系から2人が名乗りを上げ混戦模様となっています。

島袋吉和前名護市長「立候補するに当たっては、辺野古移設を明確にできないと支持しませんよと言ってきたので。」

島袋前市長がこうけん制するのは、自民党県連が推す末松文信県議。実は、末松氏は島袋前市長時代、ともに普天間基地の辺野古移設を進めてきた仲です。

しかし、自民党県連が、普天間の県外移設を掲げる今、末松県議のスタンスはあいまいな表現にとどまっています。

末松文信県議「移設先は最も県外が望ましいが、固定化はあってはならない。辺野古も選択肢の一つ。」

これまで島袋前市長を支持し、辺野古推進の署名活動を展開してきた西田健次郎氏も現状に危機感を募らせます。

自民党県連顧問・西田健次郎顧問「地元の北部振興関係はほとんど、末松さんで固まっているという情報受けています。県連からもしっかり頼まれていますしね。僕も、勝てる選挙、それをやらなければ、ダメだという思いですからね。政策発表が9日でしょ。その前にメドつけんと。引き際がね、とても引きにくくなると思いますよ。」

こうした中、様々な動きが出てきています。今月1日、仲井真知事からは条件付きで承認を示唆しているともとれる発言が飛び出したのです。

仲井真知事「承認する、承認しない、その中間もありましょうか。」

これまで県内移設は困難としてきた仲井眞知事。それだけにこの発言は、物議をかもしました。また自民党県連でも微妙な動きが見えてきました。

具志幸助県議「自民党(県連)は普天間については県外移設というのが、政策になっていますよね。これを辺野古移設を容認するというような形に見直すということです。県連も整理して末松さんと調整する必要があるのではと思っています。」

自民党県連・照屋守之幹事長「政策部分の調整で一本化できるのか、別の要因もあるのか、もう少し突っ込んで調整したいと。」

末松文信県議「早い時期にその問題を決着していただきたく、みなさんご協力をお願いしますと申し上げました。」

候補者の一本化が諮られるこのタイミングで、辺野古移設に関する県連のスタンスを再び協議することが決まったのです。

自民党県連・翁長政俊会長「11月で新たな議論をしてほしいという要望がありますから、それはこの日程を作って議論はしようと思っています。このスケジュールはこれから作って動いていくと思っています。」

名護市長選挙の候補者擁立を巡り混乱する自民党。そこからは、様々な立場の人たちの本音が見え隠れしています。