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長寿崩落の背景について考える危ない長寿の島今月のテーマは「乳がん」です。秋山さんです。

あぶない!長寿の島 「乳がん」治療を考える

秋山「沖縄県の女性のがんによる死亡率で最も高いのが「乳がん」です。まずはこちらをご覧ください。2010年の乳がんの死亡率ですが、実は全国でワースト2位という結果が出ました。三上さん、原因はなんだと思いますか?」

三上「一般的な健康診断の項目にはないですからやはり「乳がん」検診の受診率の低さでしょうか・・」

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秋山「そう考えますよね。ではこちらをご覧ください。」

実は、沖縄の女性の乳がん検診率はワースト2位になった2010年を見ますと29.2%と低いながらも、全国平均は上回っていて、決して特別低いというわけではないんです。では、何が考えられるのか?那覇西クリニックの玉城研太郎先生に伺いました。

これは、沖縄県女性の乳がんによる死亡率の全国比です。1995年から5年ごとに見るとそれほど多くはないのですが、2010年一気に急落し、ワースト2位に転じました。元々は40代から50代に多いとされる「乳がん」実は、沖縄の場合その傾向がやや違うようです。

玉城研太郎医師「沖縄県の乳がんのり患のピークが50代から60代にシフトしてきているというデータが明らかになってきました。(日本人のピークは40代後半から50代ということがありましたがだんだんピークが高齢化してきている)これは肥満と相関するデータなんですね20ですので生活習慣病と切り離せない部分は往々にしてあるのでは。」

元々は欧米人が罹りやすいとされていた乳がんですが、今や日本人女性の16人に1人が乳がんにかかるとも言われていて、県内でも年間700人の女性が新たに乳がんと診断されています。やはりここでも食の欧米化による「肥満」が問題となっています。

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玉城医師「沖縄県の場合肥満率全国ワースト1位ですよねそうしますと閉経後の乳がんのリスクが沖縄県の場合非常に高くなってくるのではないかと思います。」

さらに玉城先生が気になる資料を見せてくれました。

玉城医師「乳がんでなくなっている人6割7割が進行ガンでなくなっていますのでこういった方々を早い段階で見つけることができれば死亡率は減少するだろうと。」

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乳がんは、がんの大きさや脇の下にあるリンパ節への転移によってステージがつけられます。つまり、ステージが低いほど、乳房もそして命も失うリスクが減少します。全国的にみると低くはない検診受診率、しかし、一方で進行してから見つかる人が多い実態。ここにも沖縄の特徴があるといいます。

玉城医師「乳がん検診で引っかかった方が、我々のような専門施設になかなか来ないというのが沖縄県のデータであるわけなんですね。要するにひっかかっても精密検査は受けないという方が多くて。」

秋山「玉城先生は、検診だけで安心せず、要検査となった場合はすぐに受診することで早期発見、早期治療ができるのだと話していました。今や誰が罹ってもおかしくない「乳がん」なんですが医学の進歩により日々進化している治療の一方で進まない部分があります。」

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こちら、ご覧ください。これは乳がんで乳房を失った人が「乳房再建」新たに乳房を作ったことで生きる希望を見つけたということを公表したものです。この本を出版した女性が今月沖縄を訪れました。

真水さん「2008年3月に右乳房全摘でお腹の脂肪をドナーにした一時一期再建という同時再建をしています。」

真水美佳さん。2008年に乳がんにより右胸を全て摘出。「胸を失いたくない」という強い思いから、摘出と同時に再建を行ないました。その後、「乳房の再建までを標準治療に」と訴えるため今年NPOを立ち上げ、乳がん患者に再建の情報を伝える活動を行なっています。

今月16日、浦添市にある乳がんの患者会「ぴんくぱんさあ」で行われた講演会では、再建の種類やそれぞれのメリットデメリットなどを体験者の話を交えながら聞くことができました。

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真水さん「ホルモン治療や抗がん剤治療したりするのと同じく、乳房再建までが乳がんの治療だとそこで治療が終わったなと思う人もいる。普通に生活するための当たり前のものを取り戻すということは大事だなと。」

今年7月には一部保険が適用になった再建方法もあるということですが、まだまだ、費用などの問題から再建に踏み切れない人も多い現状。参加した乳腺外科医もこのように話していました。

宮良先生「本来は取ったものを戻す元合った乳房に戻すのが必要だけど実際にできる施設は限られているし、専門にしている形成外科医も少ない全摘はしたけど再建してない。保険の問題もあって全摘したけど(再建は)保険がききませんとですから待つと。」

秋山「全国の乳がん患者のうちおよそ4割の方が乳房を全て摘出しているということですが、再建する人はそのうちの1割。沖縄はもっと少ないと言われています。」

三上「再建することでメンタルの治療にもつながりますからぜひ患者さんがよりよい選択ができるように一日も早く全ての再建手術が保険適用になるといいですね。」

秋山「乳がん学会のガイドラインでは3センチ以下であれば大きな確率で温存できるということですから、やはり早く見つけることが何より重要にはなってきますが、病気とどう向き合い、前向きに生きていくか、今回患者会に何度かお邪魔しましたが、いろんな悩みを共有しながら自分らしい生き方を見つけていくこと、これもとても大切なことだと感じました。」