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長寿県崩落を受けて毎月お伝えしています。「危ない!長寿の島」今月は「健康診断について」秋山さんです。

みなさんは毎年健康診断を受けているでしょうか?企業などで働く労働者は事業主が健康診断を行なう義務がありますし、40歳を過ぎたら特定健診を受けることも5年前に義務化されました。

さて、棚原さん、沖縄の健康診断の受診率、全国と比べてどうだと思いますか?

棚原「長寿陥落ということもありましたし、元気だから大丈夫さーなんて受診率もあまりよくないのでは・・」

 

協会けんぽによりますと沖縄の受診率はおよそ58%全国でも4位。特定健診についても全国平均を上回っています。しかし、問題はここから、そのうちリスク有と診断された人は65%と全国でワーストでした。

先月、ある興味深いデーターが公表されました。沖縄の中小企業で働くおよそ26万人が加入する全国健康保険協会・協会けんぽが今年、初めて健診データーの分析結果を公表したのです。

分析が行われたのは、協会けんぽに加入し、2011年に健診を受けた35歳以上の男女9万2千人あまりのデータです。

中でもメタボリックシンドロームの診断基準とされる血圧・血糖・脂質で1つでも異常があった人を職種別にみると、石油などを取り扱う鉱業・運輸郵便業・電気ガス水道業の順で高くなっていることがわかりました。

津覇さん「推測ですが運輸関係は車に乗って仕事するタクシーの方は不規則な勤務もあり健康状態が(よくない)。車を使う仕事なので日常的な運動不足があるのか、これも推測ですが建設関係は飲酒の機会が多いのか特徴的にはそういうのが見られました。」

血圧や脂質などに加え腹囲やBMI、中性脂肪の数値を全国と比較してみると。男性は血圧と喫煙者の割合以外は全て上回っていて、中でも肥満を示す値BMIが大幅に高いことがわかります。

さらに女性でみると心筋梗塞などを引き起こすHDLコレステロール異常の割合や腹囲・BMIなどで大幅に全国よりも高いことがわかります。

年齢で見ると男性の場合働き盛りの40代後半から50代にかけて女性の場合は60代にかけて異常ありと診断された人の割合が高くなっていました。

実はこの健診結果から長寿県陥落の原因ともいえるもう一つの問題があります。

協会けんぽ・津覇さん「他府県と比べて外来受診率が低いです。健診受診率は高いんですが数値が悪くても病院に足を運ばなかったり、保健士からの保健指導を受けなかったり放置して悪化しているというのが良く聞かれます。」

健診を受けたものの・・・結果だけ目を通して放置。こんな方いませんか?

実は沖縄では受診率は全国より高いものの、異常があり保健指導や病院での検査の必要があると診断されても、行かない人が多くその結果、重症化を引き起こし高額医療につながるという問題があります。

先ほどの協会けんぽの加入者の平均年齢は42.17歳。全国で最も若いのですが、実は一人当たりの入院医療費は全国平均を大きく上回ります。

このような状況を防ごうと、協会けんぽと連携して特定保健指導に取り組んでいる「豊見城中央病院健康管理センター」ここでは健診を受けた後、個室で保健士や管理栄養士から細かい保健指導を受けられます。

さらに、

豊見城中央病院健診センター・城間春子主任「要精密検査ですとか治療が必要な結果が出た方に対して当日紹介状・もしくは本院に予約を取らせていただいて、スムーズにけんしんあとのフォローが受けられるように後日カルテを確認させていただきて実際に受けられたかどうか確認させていただきます。」

この健診専用センターでは、男性女性の検査フロアーを別にしたり、管理栄養士監修のヘルシーな食事が提供されていたり、健診率向上に繋がるような努力も感じられました。

沖縄の長寿を取り戻すためにも健診結果を軽視せず、異常が見つかった方は保健指導や検査を受けることが大切です。