5回目は今年、夏の優勝候補の一角に名前が挙がる実力校、沖縄尚学高校です。
誰もがその実力を認めるチームですが、新チーム発足から苦しい出来事が続き、それを乗り越え、ナインは最後の夏に向かおうとしています。
バスに乗り込み学校から球場へと向かう選手達。狭い学校のグラウンドでは思うような練習が出来ないことから、週に何度か、球場での練習を取り入れている。
私立・沖縄尚学高校。1999年にセンバツ甲子園初優勝という県内高校野球の歴史に金字塔を打ち立て、春夏通算8回の甲子園出場を誇る名門チームだが、全国の強豪チームと比べると決して恵まれた環境で野球をやっているわけではない。
今年監督2年目となる比嘉公也監督(25)。去年の沖縄大会では、初采配ながらチームをベスト4へと導くなど、その手腕は高く評価されている。
比嘉公也監督「僕自身まだ若いですし、学生ともそう歳が離れていないですので、兄貴分ではないですけど、常に疑問点があれば僕に話しかけてくれたり、相談してくれるような雰囲気は作っていきたいと思います」
では、さっそく比嘉監督自信が評価した今年のチームの実力から紹介しよう。
比嘉公也監督「(今年のチームは)実力的には去年よりは上だと思います」
去年を凌駕するチーム力で、一番の魅力は層の厚い投手陣だ。
沖尚のエースは2年生の東浜 巨投手。去年より球速が5キロもアップし、MAX143キロの豪腕が唸る。オフシーズンのトレーニングで体重も増え、華奢な体が一回り大きくなり、決め球のスライダーやシュートの完成度もあがった。今大会屈指の好投手だけに見逃せない!
また、3年生で左の井戸康太投手は、MAXは132キロ。カーブ、スライダーの切れ味が鋭く、同じく3年で、右の嘉数勇人投手も130キロ後半のストレートで、ぐいぐい押してくるピッチャー。
ともにエース級の実力派が揃う豪華ラインナップは、監督評価も「5」と最高点をつける程。
また、つながると止まらない強力打線は上位から下位まで、相手チームは油断が出来ない。打撃陣の評価は「4」。そして、クリーンナップが予想される伊是名雄志一塁手や松島辰成中堅手の二人は、打線のキーマンとしての役割が期待されている。
実力を兼ね備え、去年8月の新人大会でも30年ぶりに優勝の栄冠を手にしたチームですが、暗い影が付きまといます。
去年秋の県大会は、第1シードでありながらながら、部内の不祥事により出場を辞退。
そして、悔しさを乗り越えて挑んだ春の県大会では、野球が出来る喜びを体いっぱいに感じながらベスト8に進出。夏へと照準を合わせていた矢先、スポーツ特待生問題が浮上。先月の1ヶ月間、一切の対外試合が禁止された。
しかし・・・
川上司主将「このまま引きずっても意味ないから、切り変えて初心に戻って。みんな最初からいこうと、3年で話し合いました」
東浜投手「精神的にもみんな落ち込んでて、練習していても気持ちが入っていない感じはした。今はやっぱり最後の夏なので、とことん落ち込んだので、それから上がるしかないじゃないですか」
寒さに震えたものほど太陽の暖かさを感じる沖尚ナインが今年の夏の太陽の下、青春の炎を燃やす!
『いつも言っていることな、きょうはキャッチボールな、もう一回初心に戻って基本から』
井戸康太投手「技術だけじゃなくて、大きくなれたと思います。この仲間と一緒に甲子園に行きたいんで、この夏はみんなで力をあわせて全力でやりたいと思います」
嘉数勇人投手「思いっきり楽しんでやりたいです」
西銘生悟選手「(先輩達と)最後の夏、一緒に甲子園に行って、大きな舞台で一緒に野球をしたいです」
東浜投手「3年生を是非とも勝たせたいですね」
比嘉公也監督「本当にいろいろな事があった。とにかくこの1年間の総決算として夏の大会に挑みたいと思います」
『甲子園行くぞ!お〜!」
来週月曜日は、去年話題をさらった八重山商工が商工が登場します。