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ANN九州・沖縄・山口新春企画「チェンジ2009」。きょうは沖縄からです。いまや社会問題にもなっている「うつ病」。「うつ病」にかかっても、全てを失うわけではないと各地で訴え続けている男性がいます。男性の新たな決意とは?

「うつの人に伝えてほしいことがあります。うつでもこんな風に生きている人がいるということ」

新垣賢昇さんは、自身が「うつ病」だということを公表し、各地で闘病体験を語っています。不況などで将来の不安が募るなか、自殺で命を絶つ人は、10年連続で3万人以上。その多くに「うつ病」が関係しているといわれています。生きることに疲れたという人たちを支えたい、「うつ病」が原因で命を絶つのを止めたい彼が立ち上がったのはそんな思いからでした。

実は新垣さんは1年前まで浦添市の保健師としてうつ病の人たちの支援にあたっていました。しかし過労がたたり、自分自身がうつ病を発症。自殺願望に襲われるほど追いつめられてしまいました。

自分は一人ぼっちだった。周りに人はいるのに、一人ぼっちだった。自分は周りから見えない、自分の声が届かない。まるで透明人間のような存在。

新垣賢昇さん「たった一人ぼっちというか、本当に苦しくて。生きていて良いのかと思うくらい追いつめられているような感じで」

闘病生活を支えたのは奥さんの清乃さんです。

新垣賢昇さん「ずっと対応は一緒ですよ。見守って信じているという地味なんですけど、それでも元気になる気がして。」

しかしそんな清乃さんも、心労から、うつ病を発症しました。 患者を支える家族も不安なのです。2年間仕事を休み、ゆっくり回復した新垣さん。しかし仕事を辞めることを決意していました。もう、次の目標が見つかっていたのです。

新垣賢昇さん「遠い、どこかの名前しか知らないような本当にいるのかどうかわからないような人じゃなくて、顔も見れて、当事者の声が欲しかった。」

かつて自分も求めていた、うつ病の当事者の声。予想以上の反響で、講演は30回を超えました。

絶望的孤独感を持っているとき、周りに望むのは何があるんですか?

新垣賢昇さん「ちょっとの声かけなんですよ。人は一人ぼっちで生きていけないから、ほかに待ってくる人がいると思ったら、立ち上がってくるんですよ。」

新垣さんのもとには様々な悩みを抱えた人たちがやってきます。この女性は夫をうつ病による自殺で亡くしたため自分を責め、自身もうつ病になってしまいました。

新垣賢昇さん「お父さんは病死、誰のせいでもない。きついかもしれないけど、生き続けてください。」

かつては自身も死を選ぼうとしたときがありました。しかし今は、人生はつらいことも多いけれど、身近なところに、必ず幸せはあると思えるようになりました。

新垣賢昇さん「今まで普通に当たり前のことだったことが、本当にこれが幸せなんだと感じることができるし、自分を見つめなおして、新しい人生を歩みだせる機会になるんじゃないかと。」

今月も長崎に講演に出かける予定です。「肩の力を抜いて、マイペースに」それが今年の目標です。

新垣賢昇さん「他人がどうこうというより自分自身が変わろうかなと。今年は自然体にゆっくりあせらずできればと思っています。」

新垣さんは「うつ病」に対する偏見はまだ根深いと話します。実際、こういった活動をしている人は少ないため、全国から引っ張りだこ。既に福岡や鹿児島、埼玉にも講演に行くなど、活動の幅は広がっているそうです。アナ:「うつ病」の人を支えるためには私たちも理解を深めることが必要だといえそうですね。以上チェンジでした。