めざせ甲子園、きょうは沖縄水産です。先月、名将・栽弘義監督が亡くなり、大きな悲しみに包まれたチームですが、それを乗り越え、沖水ナインは今年の大会を“特別な夏”にしようと心を一つにしています。
「大胆細心」−この言葉を自らの野球哲学にしていた沖縄水産の栽弘義監督が、先月65歳でこの世を去りました・・・。弱小だった沖縄の高校野球を全国レベルにまで押し上げ、「強豪沖縄」とまで言わしめた栽監督の功績は多くの人の心に残りました。そして今、名将亡き後、沖水ナインはある思いを抱いていました。
大瀬康市主将「栽先生に恥をかかせないように、しっかりちゃんとしたプレーをしていきたいと思います」
小山勝成選手「絶対甲子園に行こうってみんなで話し合っています」
“栽監督に捧げる夏”にしよう・・・。監督の棺をグラウンドで見送ったあの日、ナインは固く心に誓いました。
宜保政則監督「栽野球の原点というのは、心の野球だと思っています。その心の野球を子ども達に伝えていきたいと思います」
栽監督の後を継いで新監督に就任したのは宜保政則監督。沖水のOBで栽監督の愛弟子が、外部監督として新しく指揮を執ります。
宜保政則監督「ボールは自分に投げられたの分かるだろ。わかったらこの勢いで半身になって投げるんだよ。一発で投げられるんだから、やってみ〜」
今年の春、監督代行をつとめていたこともあって、選手との信頼関係は申し分なし。練習中は容赦ない激しい言葉が飛び出します
宜保政則監督「ふざけてやってんのか〜。抜けるって事がありえるのか」
では早速、今年の沖縄水産の戦力分析!
投げてはこの夏、その安定感が認められ、初めてエースナンバーを背負う屋我省伍投手。MAX135キロながら、カットボール、カーブ、スライダーの変化球と、抜群のコントロールを武器にマウンドを守ります。
2番手の背番号8番の小山勝成選手も制球力が良く、安定感のある投手に成長していて、大きな戦力アップにつながっていますまた、春のエース大城正太投手もMAX140キロ前半の速球を武器にしていて、層の厚さも見どころ。
さらに、エースの屋我投手と2番手の小山選手の二人はともにクリーンナップでも活躍。
3番は小山選手。4番には去年2年生ながら同じく4番に座ったキャッチャーの金城勇貴捕手。そして5番はエースの屋我投手。
ところで今年の沖水は、バント練習に一日中時間を費やしたり、守備練習に重点を置くなど、基本に徹しているのが特徴。今一度、原点に戻った沖縄水産が、名将から受け継いだ甲子園という夢のバトンを手に、夏に挑みます。
真喜志康仁左翼手「監督は偉大な人だったので、恥じないようなプレーが出来たらいいなと思います」
金城勇貴捕手「悔いのないような試合をしないといけないと思っている。(3年)最後の夏なので、精一杯やるしかないです」
屋我省伍投手「やっぱり恩返しがしたいです。絶対優勝して甲子園に行く」
練習中いつも栽監督が座っていた木製のベンチ・・。今でもナインはこの場所に栽監督の温もりを感じています。
宜保政則監督「ベンチにいつも監督が座ってましたから。今でもいるんじゃないかと思うくらい。いつでも出てきそうな感じがするもんですから、しっかりやらないといけないなといつも感じてやっています」
大城正太投手「いつも練習している時とか、監督室のドアが開いたら監督さんが出てくるんじゃないかという気持ちがまだあります。今まで僕達は栽監督に教えられたという事を誇りに思って、胸を張って試合が出来ればと思っています」
「甲子園行くぞ〜!オ〜ッ!甲子園いちゅんで〜!」
沖縄水産の注目の初戦は、大会4日目の23日・慰霊の日に、宜野湾市立野球場の第2試合で、強豪・具志川商業と対戦します。明日は県内初の中高一貫教育校となった与勝高校です。