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Qリポートプラスです。沖縄戦や基地問題など本来、笑えない問題をあえて笑いとばしながら考えていく、そんな無茶が人気の「お笑い米軍基地」が9年目を迎えます。

脚本を手掛けるまーちゃんこと小波津正光さん。笑いでは越えられないテーマに直面し、ある変化が生まれています。

小波津正光さん「うるさくないですか?」住民「うるさいですよ。」

小波津正光さん「うるさいときは、窓を閉めるんですか?」住民「窓閉めても同じですよ。うるさいうん。」

普天間基地の回りに住む人に声をかけながら歩いているのは、お笑い米軍基地の脚本演出を手掛けるまーちゃんこと小波津正光さんです。

小波津正光さん「あっ飛んだ飛んでいきましたね。」

オスプレイは、外せないネタという小波津さん。舞台は、毎年この一年間でクローズアップされたニュースや基地問題などの話題をすべて新作のネタばかりで挑んでいます。

騒音やそこに住む人たちの感情を聞いて笑いの材料を探します。

金城さん「1年ぐらい前から耳がだんだん遠くなってきている。」小波津さん「今までのヘリコプターと全然違う?」金城さん「全然違う。地響きする感じの音。」 

当り前のようにある基地は、戦争をしたことでそこに存在する。そんな現状も沖縄のお年寄りたちは、底抜けの明るさと笑いで乗り越えられてきたのだと信じていた小波津さん。しかし笑いの根底を覆す出来事がありました。

おばあちゃん「戦争もこっちだった?戦争も大変だったですよ。戦争のころは、島尻だったから余計に怖かった。家族と一緒にいたけどお父さんなんかも戦争でなくなった。(Q:ご兄弟もいらっしゃったんですか?)はいみんなごめんなさい。ごめんなさいね。音とか聞いたら思い出すでしょ。思い出してもう怖い。」

小波津正光さん「僕が喜劇でやろうとしているおばあちゃんとぴったりです。」

戦後68年が経過してもお年寄りが今でも戦争の光景がフラッシュバックする。「戦争PTSD」に悩まされていることを知った小波津さん。今年のお笑い米軍基地の喜劇では、笑いで乗り越えられないものを追及し掘り下げていくことにしました。

稽古初日。今年はどんな話題で舞台をつくっていくのか、聞かされていない芸人さんも興味深々です。

ハンサム金城さん「まーちゃんさんがあの人の考えていることがすごいんで。楽しいですね。毎年。」

ニッキーさん「わかりやすいけどこういうこともあったんだなって、気づきもあったりする舞台ですね。勉強にもなるし、わかりやすい。」

小波津正光さん「じゃぁ稽古始めます。よろしくお願いします。ボリュームは、すごいあります。だけど中身は、読んでもらった分かるけど戦争PTSDでって重いテーマかもしれないけど、おれたちなりの切り口やったつもりです。」

これまで笑いを提供し、まわりを元気にしてきたおばーが、戦争PTSDを発症し、不眠症やうつ病を患ってしまう。そんなおばーを今度は、周りの人が笑いを誘い元気にしていこうという内容です。

おばー役のセリフ「戦争が終わったあとね、私はどんなときでも、笑ってすごそうと決めて生きてきたさー。毎日笑えばつらい記憶も消えると信じて生きてきたさー。あの戦争はねいつまでたっても私を苦しめるわけよ。笑いは戦には勝てないよー。」

笑いで越えられない壁。しかし、克服するためにはどうするのか?9年目を迎えるお笑い米軍基地の公演は、もうすぐです。

おばー役の大田享さん「泣かないように頑張ります。」

小波津正光さん「沖縄で起きていることは、ギャグでしょ。僕は、いいたい。深刻な問題だけど、笑ってくださいよ。」