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さて、沖縄の長寿県陥落を受けて先月から始まった企画。あぶない長寿の島。今回のテーマは「自殺」です。担当は秋山記者です。

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秋山記者「女性の平均寿命陥落も衝撃的でしたが、その一因となるであろうこちらも驚きの数字が明らかになりました。それが『自殺率』です。今までかなり低い自殺率だった沖縄の女性が今回の統計で4位に浮上してしまいました。きょうはその背景に迫ります」

琉球大学医学部・近藤医師「安心していたところがありましたけれど。経済状況よくないということと当然男性が困っているのであれば、当然パートナーである女性も生活苦というものに直面している」

ここ10年余り、男性の自殺が深刻だった沖縄。一方でたくましいと言われてきた沖縄の女性。その女性の自殺率が全国4位にまで上昇。今、何が起きているのでしょうか。

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これは、警察庁が発表した原因・動機別にみた自殺の状況です。女性の場合、6割以上を占めるのが健康問題による自殺。さらにその年齢は30代から50代の子育て世代が大部分を占めます。

女性の自殺の背景を分析している琉球大学医学部・精神科の近藤毅先生。女性の自殺の背景に女性特有の変化があると話します。

近藤医師「ちょうどその年代は様々な慢性の身体疾患を抱えやすいということだけじゃなく、女性特有のホルモン量の減少する更年期障害を迎えて、うつになりやすいというホルモンの変動が起こる。そういったものが男性と違ってある」

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これは自立支援医療費、いわゆる精神疾患に対する医療費助成の支給状況です。このうちうつ病などが該当する気分障害。これだけを見てもうつ病患者が年々増え続けていること、そして女性のうつ病がいかに多いかがわかります。

與那嶺寛子さん「悩んで悩んで髪の毛も抜けて。笑ってなかったんでしょうね。『やめますと、子育て専念する』という言葉ではあったけど、今振り返ったら精神的には自信が全然なかった」

與那嶺寛子さん。10年間、中学校で教師をしていた寛子さんは3人目の出産後、精神的に限界を感じ、退職しました。

與那嶺さん「夕飯の時間帯が一番ピークで苦しい。午後4時から7時までの3時間が地獄のように苦しい。5時くらいにだんなに電話して、もうダメ子育てもうできない、もう苦しいと」

そんな時、もう一つ寛子さんにとってショックな出来事がありました。

與那嶺さん「3年半くらい病院行き来して、そしたら『そううつ』と。彼女から時々電話がきて相談を受けていた。その後、しばらくして彼女が自殺したのを聞いて」

大切な人の自殺。寛子さん自身も産後のうつ状態の中、その事実がさらに彼女を追い詰めました。

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與那嶺さん「最後に会話したのはたぶん私。彼女が相談してきて、助けてっていったのを今できないって言った会話が最後。そのあと、私も消えてなくなりたい時期が半年くらいあったかな」

そんな寛子さんの希望の光となったのが「キュービックカラーセラピー」。言葉ではなく色でその人の精神状態を知ることができるという教育現場や医療現場で使われている心理療法です。

與那嶺さん「彼女が精神的に体調が悪くなったのをきっかけに、私がカラーセラピーに出会った。彼女とのご縁の方を受け取るようにして、このカラーセラピーを大事にしたい」

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自分もうつで苦しんだ、そして大切な人をうつで亡くした。心の奥にある気持ちをくみ取り、心の叫びを聞いてあげたい。今、寛子さんは、子育て支援センターや保育所を周り、お母さんたちの心に耳を傾けています。

與那嶺さん「私がこんなにがんばってるのを認めてくれて嬉しいということがとっても大事。私も過去にそれをしてほしかった。今はそれをツールとして伝える立場にいることが嬉しい」

秋山記者「女性の場合、與那嶺さんのような出産後のうつ、または年齢による更年期障害など、体調がすぐれない時に、経済的なことや将来のことなど不安要因が重なって精神的に追い込まれてしまうケースが多いと近藤先生は話していました」

いちばん近くにいる家族が、変化を見逃さないことが重要ですね。

秋山記者「そこで近藤先生に、身近な人のこんな変化に気づいてほしいという項目をあげていただきました」

1.口数が少なくいつも溜息ばかりついている
 2.どうやらよく眠れていないようだ
 3.好きだったことをしなくなった

これは全て女性にも男性にも言えることです。言葉じゃない表情や行動から変化に気づいて、声をかける。そのことが自殺を予防する第一歩になります。

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