ANN系列、九州山口沖縄ブロックが伝えるシリーズ企画。今回のテーマは「フレッシュ」きょうは沖縄からです。新年度となり、新しい学校や職場に胸を弾ませる人の多いこの時期ですが、フレッシュな気持ちを持っているのは何も若い人達だけではありません。沖縄ではお年寄りの方々も「フレッシュ!」です。
野原朝永さん「ここでこういうふうに休むんですよね。それでこう生育状態を観察して。気持ちがとてもほぐれます。」
手入れを欠かさない庭について楽しそうに話すのは、野原朝永さん。御年83歳!のこちらのおじいさんがフレッシュなわけ、それは…
「講師の先生方や関係者の皆様方のご指導よろしくお願い申し上げます。」
こちらは沖縄県かりゆし長寿大学校の入学式。この学校は、満60歳以上の人を対象に県が募集しているもので23年目を迎える今年は、192人が入学。これから1年間学校に通い、勉強に励みます。
誓いの言葉を務めた野原さんは、同期の中で最高齢、83歳にして、ピッカピカの新入学生なんです!
野原朝永さん「これからどういうような授業が始まるか楽しみにしています。」
野原さんは、地元の老人会「むつみ会」に所属。美化活動に励むなど、日頃から精力的に活動しています。
野原朝永さん「(大学には)みんな僕たちと同年の方がたくさんいます。だけどそのうちで僕が一番長老になっているみたいで。一堂に集まると190人、講堂いっぱい。とても設備が立派になってて。」
そして迎えた初登校日。出発前にあるものを見せてくれました。
野原朝永さん「(Q:入学決定通知書をもらった時はどんな気持ちでした?)とても嬉しかったです。競争率がとても激しくてですね。」
毎年人気で、抽選で入学者を決めるかりゆし長寿大学。これまでの平均倍率は2.6倍。当選の嬉しさは格別なんです。
野原朝永さん「まだこれからです、やることがいっぱいあります。」
たくさんの期待を胸に、いざ初登校です。
初日は新年度お馴染みの自己紹介。
伊佐好子さん「とぅむどぅむ、学んでいかやーんち、はりきっちょいびん。ゆたしく、うにげーさびら。(一緒に学んでいきましょうと張り切っています、宜しくお願いします)」
松村真一さん「子ども達が、友達100人出来るかなと、大きな声で歌ってました。ちょうどこの組も100名くらいで。」
個性あふれる自己紹介に教室も湧く中、野原さん、何やら様子が変です。あら、カンニングペーパーを作っています。
野原さんの順番が回ってきました。
野原朝永さん「野原と申します。生活環境科、生年月日は昭和4年8月生まれです。1年間楽しくすごしたいと思いますので、どうぞよろしく。またご指導のほどお願いします。」
無事自己紹介を乗り切った野原さん、一安心です。
そして翌週からは本格的に授業が開始。野原さん、勉強には並々ならぬ思いがありました。
野原朝永さん「そのころはちょうど戦時体制に入っていますんでね。学校というのは今のように積極的には(学べなかった)」
だからこそ野原さんは、現代の恵まれた環境で勉強できることが嬉しくて仕方ないのです。もちろん、休み時間には、キャンパスライフも満喫。
いよいよ始まった待望の学生生活、野原さんに今の気持ちを聞きました。
野原朝永さん「やはりいろいろな職業を経験された方たちの集まりですから学ぶことがこれからいっぱいあって一生懸命勉強しようと。1年中勉強したものはこれは本当、家宝になります。」
期待に胸を弾ませる83歳の新入学生、夢のキャンパスライフはまだまだ始まったばかりです。