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政府が県に対し、辺野古沿岸部の埋め立て申請を行ったのは先週金曜日でした。その翌日には、振興策を担当する山本沖縄担当大臣が沖縄を訪れ、知事や北部地域の市町村長らと会談しました。

大臣の沖縄訪問は前から決まっていたことでこのタイミングになったのは偶然ということですが、一連の出来事からは基地問題と振興策という「アメとムチ」の構図がはっきりと見えてきます。

山本沖縄担当大臣「色々とはからずも、このようなタイミングになってしまいましたが、きょうは市長村長の皆さんと振興政策の話をさせていただければと考えています。」

北部地域の市町村長を前にこう切り出した山本沖縄担当大臣。懇談の場では埋め立て申請が強行されたことに対し、宜野座村から宜野座漁協などが反対している事実が伝えられたほか、名護市からは手続きのやり方について厳しい批判の声があがりました。

名護市長「私は昨日の今日ですから、そのアセスの、これまでの手続きのやり方を含めて、県民を欺く形で進められてきた、強権的に進められたことに対して県民は非常に怒っていると担当大臣として沖縄の心を、意見をしっかりと汲み取って届けてほしいと申し上げました。」

しかしこれに対して大臣は。

山本沖縄担当大臣「議論の9割以上は地域の振興とか、北部振興事業の具体的な中身とか、一括交付金の話だったと思う。(埋め立て申請について意見したのは)恐らく1人か、2人だったと思うが、そのことについてはしっかり防衛大臣へお伝えし、官邸にお伝えしますとお答えしました。」

安倍政権が発足して3カ月を振り返ると、沖縄に基地を受け入れさせるための一連のプロセスが見えてきます。

来年度の沖縄振興予算に破格の3001億円を確保し、那覇空港第2滑走路の建設費用としておよそ130億円を計上。

先月には自民党の振興調査会のメンバーが北部地域の市町村長らを呼んで秘密会議を開催したほか、今月19日には基地問題と振興策について話し合う沖縄政策協議会を開きました。

「振興策」を盾に着々と準備を進めていたことが伺えるのです。

このタイミングでやって来た沖縄振興を担当する山本大臣。自身は基地問題の担当者ではないと強調し県民の批判をかわしました。実際奇妙だったのが知事との会談。この中では埋め立て申請について一切話題にならなかったというのです。

山本沖縄担当大臣「埋め立て申請の話は知事からはありませんでした。」

仲井真知事「(Q.申請については話題にならなかったということですが?)しなかったというところですかね。担当大臣じゃないもんね、防衛とか、外務でしょ。」

着々と進められる辺野古への基地建設計画。多くの自治体が厳しい予算のやりくりを強いられる中、振興策という「アメ」をチラつかせて「説得」しようという動きが再び活発になってきています。