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青山志穂「きょうは浜比嘉島に来ています。こちらではあのずらーっと並んだ竹枝を使った伝統製塩装置で塩作りが行われています。いったいどんな作り方なんでしょうか」

竹の枝を伝わせて上から下へと滴り落ちる海水。これは、塩作りに必要な塩分濃度の高い海水を作る昔ながらの製塩方法「流下式塩田」です

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汲み上げてきた海水は、竹枝を傘状にした枝条架と緩やかな流下盤を通る時に、風と太陽の力で水分を蒸発させます。

この昔ながらの製塩方法で塩作りを行っているのが塩職人の高江洲さんです。

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高江洲優さん「海水の濃縮から焚き上げ、メンテナンスも全部1人で」

大忙しの高江洲さん、こだわりはこの工房の目の前に広がる海100%天然の自然海水を使った塩作りです。

ここ浜比嘉島は石垣にそして赤瓦の屋根と、昔ながらの雰囲気を良く残し、手つかずの自然が残る島です。

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高江洲さん「最初に塩を炊きあげたらカルシウムの甘みが出る、次にナトリウムの塩辛さ、カリウムの酸味がきて、最後にマグネシウム、にがりなんですよ。この4つが混ざっていい味になるんですよ」

高江洲さん「塩をにがりの中に広げることで、そのにがりが塩にくっついてくる、含ました状態で釜上げする」

このにがりをどのくらい塩に含ませるかによって、塩の出来上がりの味がかなり変わってきます。海水を煮詰めて塩を取った後の液体を「にがり」と呼びます。にがりには苦味もあるが多くのミネラルが入っていて、ここが塩職人のこだわりの見せどころ。高江洲さんは4日間かけ丁寧に上下を入れ替え、全体のにがりの量を調節し製品にしていきます。

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そしてここでしか味わえない貴重な塩も。

高江洲さん「にがりのタンクの底で時間が経つと、こういう風に塩が自然結晶化してくる。この塩の成分・ナトリウムがほとんど抜かれた状態なので、ミネラルが多い」

青山さん「普通の塩に比べてしょっぱ味がない。苦味はあるけど、口の中でうま味がずっと広がって残っています」

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もうひとつこちらの工房の楽しみが高江洲さんのガイド。

高江洲さん「一番問題なのが雨なんです。海水が落ちてタンクに行くまでだいたい一時間。雨が降りそうだなと思ったら、一時間前にポンプを止めないと間に合わない。夏場と冬場どっちが水分蒸発が早いと思います?(冬場?)正解、なぜ冬場かと言うと、冬は空気が乾燥していて半日で濃縮する」

浜比嘉島に塩工房を開いて4年、高江洲さんは見学に来てくれた方に塩の大切さ、自然の大切さを塩作りを通して伝えていきます。

高江洲さん「ここ浜比嘉島は自然豊かで、その自然の中で作った100%の海水塩を作ることで、みんなに塩作りを知ってほしい。今まで知らなかったことが、分かるようになったり、そういうワクワク、ドキドキすることを塩作りを通してみんなに伝えていければと」

そんな浜比嘉島のおいしい塩には海藻や野菜がぴったり!海のほのかな香りと、甘みで浅漬けなどのうま味が濃くなります。

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この方法で塩を作っているのは県内では2カ所。塩がどのように作られるのか学んでほしい。そのため、目の前で見れて見学もしやすい作りになっています。自分だけの塩が作れる塩作り体験教室も行っています。