ベトナム戦争当時枯れ葉剤が嘉手納のアメリカ軍施設に保管されていたことを示す公文書がアメリカ陸軍への情報公開請求で見つかりました。
1971年に作成された国防総省の文書。太平洋軍司令部の管内で枯れ葉剤が備蓄されている場所として「タイ、そして沖縄・嘉手納」の名前が明記されています。
ジョン・ミッチェル「米政府は日本政府に枯れ葉剤に関連する証拠はないと言っていた。この文書は決定的な証拠になる」
ベトナム戦争で使われた枯れ葉剤のうち、最も多く撒かれたのがオレンジ色の縞模様のドラム缶に保管されていたエージェントオレンジ。1969年代後半、元軍雇用員が嘉手納弾薬庫でそのドラム缶を見たと証言しています。
「雑草が生い茂って、フェンスの雑草を一応撒いて枯らすという、そういう人たちのクルーだったんでしょ。大きなドラム缶の物じゃなくて、ドラム缶の半分くらいの小さいやつがあって、オレンジ色なのか、黄色、オレンジ色じゃなかったという感じのドラム缶だったかね」
また普天間基地でも1980年代にこのドラム缶が埋められていたという証言も出ています。ニューハンプシャー州・州議会議員のクリスロバーツさんは「Qドラム缶見つけたのはこの付近ですか。(ドラム缶の)液は地表から溢れ出し、液の表面は虹色に光っていました」と話しました。
ニューハンプシャー州の州議会議員のクリス・ロバーツさんは普天間基地でオレンジ色の縞模様が描かれたものなど100本以上のドラム缶を掘り起こす作業をしたと語ります。「雨が降れば、汚染された水は海に向かって流れ出します。汚染された水は井戸にも簡単に入ってしまう。水はかなり汚染されていたと思います」
今回文書の存在を報じたジャーナリストのジョン・ミッチェルさんは次のように話しています。「米政府は枯れ葉剤が沖縄に存在していたという証拠はないと日本政府に言い続けてきました。しかしこの文書が明確な証拠です。米政府がこの事実を知っていながら、日本政府に隠していたならば、それは全く不誠実である」
2012年には復帰直前にアメリカ空軍が沖縄にあった2万5000本の枯れ葉剤のドラム缶を南太平洋のジョンストン島に運んだという公文書が見つかっていますが、アメリカ政府は沖縄に枯れ葉剤があったことを否定し続けています。