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北信越地方で開催中のかがやき総体。小学生の頃から監督とともに、全国の頂点をめざす浦添工業レスリング部については先週もお伝えしましたが、いよいよ選手たちが集大成の夏を迎えました。

北信越かがやき総体、そこは高校アスリートが全国頂点をめざす熱戦の舞台。

集大成の夏を迎えた浦添工業。屋比久保監督とともに全国制覇をめざす最後の団体戦です。いよいよ決戦の日。

向かえた準々決勝、屋比久監督の顔つきが変ります。

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全国総体22回の優勝を誇る名門・茨城代表の霞ヶ浦高校。浦添工業は過去2年、この大きな壁に全国制覇への道を閉ざされてきました。

試合は前半青の霞ヶ浦ペース。赤の浦工は55キロ級の大城、60キロ級の知念も敗退。0対3、後がなくなります。

しかしここから、浦工の巻き返し。まずは、父でもある監督に憧れ、レスリングを始めた66キロ級の屋比久翔平。

屋比久翔平「全部優勝して恩返ししたいです」

66キロ級・屋比久がテクニカルフォールで1勝。続く74キロ級は本村匠。第2ピリオド残り10秒。

本村匠「仲間と屋比久先生が場外が近いって。ラスト10秒とまだいけると」

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不動の全国チャンピオン、84キロ級の与那覇竜太も続きます。ボールピックアップで優先権を青の霞ヶ浦に取られた延長戦。片足をつかまれた状態で試合開始の与那覇。

与那覇竜太「セコンド見たら屋比久先生がいいよやりたいようにやれって言って」

見事なタックル返しで3対3、試合を振り出しに戻します。

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思いは最重量級・宮国雄太へ。守る霞ヶ浦の足をつかんで倒し1点を奪った宮国。しかし…攻める宮国の勢いを相手がつかみ、逆に2点を奪われます。

最後の団体戦はベスト8に終わります。

屋比久監督「まだ終わりじゃないよ、個人戦がある、個人戦で悔しい思いを全部とれ。お前(宮国)が1点を取りに行ったあのチャンス、必死になって取ろうとしたあのチャンス、あれは見事だったよ、立派だよ。なあ雄太、最後の1点は良かったんだよ。守ったやつは強くならない、わかった」

この雪辱を個人戦で果たすと誓った選手達…。翌日から、沖縄旋風が巻き起こります。

96キロ級:赤の宮国雄太は準々決勝、優勝候補筆頭の倉敷の上原を敗り3位入賞。同じく準決勝に進出した55キロ級青の大城一晟はアジアカデット優勝の霞ヶ浦:樋口に善戦、敗れはしたものの自己最高の3位入賞を果たします。

しかし彼らがめざすものは全国の頂点。

まずは66キロ級の屋比久翔平。第一ピリオドは奪われますが、第2ピリオドを取り返します。むかえた最終第3ピリオド、先に1点を奪われますが、残り20秒…。

屋比久翔平「もう腕も足もパンパンで」

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それでも最後の力を振り絞り、このプレーが相手の尻がついたと判定され逆転。しかし歓喜の瞬間、ビデオ判定を求めるクッションが投げこまれます。

屋比久勝利の判定は覆り、優勝が零れ落ちました。

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そして全国制覇の夢を託された84キロ級の与那覇竜太。去年もこの大会で優勝した与那覇がその強さを遺憾なく発揮します。、第2ピリオドは相手の足をつかむと、1分19秒でテクニカルフォール勝ちを決め、大会2連覇を達成。沖縄強しを見せつけ、今大会最優秀選手にも選ばれました。

一方敗れた屋比久は…。

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屋比久翔平「5冠(全国選抜・JOC・総体・高校グレコ・国体)ができるチャンスだったのに。もっと練習して練習して強くなりたいです」

屋比久監督「まあ、ぼくは全然悔いはない。戦ってましたね。悔しい思いをしたものもいるんだけど、でも僕らが一生懸命練習してきたものは全国で通用する。弱いといわれていた沖縄が、沖縄にあたるのはいやだって言うくらいに子ども達はがんばってきましたので」

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出会いから8年、監督とすごした最後の夏は彼らの可能性をさらに広げる夏になりました。

オリンピックで日本中がスポーツに沸いていますが、与那覇くんや屋比久くんは次のオリンピックを目標にしているということで、今後の彼らの活躍にも期待したいです。