九州に甚大な被害をもたらした九州豪雨、ANN各局も取材応援に入り、河合キャスターが熊本・阿蘇の取材を担当しました。
河合キャスター「私が取材した熊本・阿蘇は23人の死者を出した特に被害が大きかった地域です。目の当たりにしたのはまさに自然の猛威でした」
ここは雄大な自然を目当てに毎年大勢の観光客が訪れる観光地阿蘇です。今回の豪雨は、この美しい景観にも大きな被害をもたらしました。
河合キャスター「私は現在、草千里にきているんですが、こちらの湖は水かさが増し、山肌はごっそり削られています。阿蘇のシンボルともいえる大草原の変貌に訪れた観光客も驚きを隠しきれません」
観光客「やっぱりびっくりしました。こんなに落ちているとは思いもしなかった。自然の驚異ってすごいな思いました」
阿蘇火山博物館・池辺伸一郎館長「20数年勤めてますけど、こんだけ崩壊しているのは初めて見ました」
一方、こちらは冬になるとその流れが凍り、阿蘇の冬の風物詩となっている古閑の滝なんですが…。
河合キャスター「古閑の滝に続く遊歩道に来ているんですが、400mほど歩くと土砂と流木で埋まっています。土砂や岩、流木が散乱し分断された遊歩道。展望台に続いていたはずの道は流れ落ち滝を間近にみることはもうできません」
その下にある豊肥線の線路も土砂と流木で埋まり、手付かずの状態。そしてその近くには滝のような新しい水の流れが。山に蓄えきれなくなった雨水が流れ続けていました。
地形さえかえってしまったんでしょうか?
河合キャスター「はい、そうです」
そしてこちらは依然は家屋が建っていた地域です。土砂崩れで全てが流されました。
被害は深刻ですね。夏場の観光にも大打撃のようですが…。
河合キャスター「そうなんです。今回私は16施設中13の宿泊施設が被災した内牧温泉街を訪ね、再建に取り組む人々に今の思いを聞きました」
蘇山郷・永田祐介社長「(Q:一番被害がひどい部屋は?)この部屋の並びが低いので、この部屋と廊下が一番土がはいってきたところではあります。ここも畳のうえまで水が入ってきてます」
川の氾濫で駐車場にまで水が押し寄せ、一部の部屋と廊下が泥水につかった旅館の蘇山郷です。豪雨から1週間で断った予約客はおよそ420人です。
山郷・永田社長「月末の資金繰り、保険、新しくするのにかかる費用どうしようと、夜1人になると考えることもありますけど。さっきの部屋行くたびに心が折れそうになります」
阿蘇全体を覆う豪雨被害のイメージ。夏休みの観光シーズンにあって風評被害が心配されますよ。
河合キャスター「そんなイメージを払拭させたいと、社長の永田さんは被害にあわなかった部屋を使って21日の夏休み初日に旅館を再開することにしました」
山郷・永田社長「一刻も早く復旧できるところは復旧して、阿蘇内牧が元気ですよというところは見せていかないといけないのかなと」
永田とも子女将「いつも(花を)生けているのは癒しと思っている。お客様に心さびしい人、いろんな人たちに元気を与えるお花と思っていますので、私も含めて元気を与えたい」
7月21日、蘇山郷、営業再開の日です。
女将「第一号でございます、水害が起こりまして大変なときにようこそお越しいただきました」
再建への道のりは、少しずつ歩みを進めています。
河合キャスター「これだけの被害を受けながらの復旧は、金銭的にも精神的にも大変なことだと思うんですが、少しずつ営業を再開させる店が増えてきました」
阿蘇ではボランティアの募集も続いているようですが、私たちにできることってなんでしょうか?
河合キャスター「阿蘇ではこれまでの活気を取り戻そうと懸命な復旧作業が続いています。梅雨もあけ、清清しい季節を迎える避暑地の阿蘇に、季節を楽しみにでかけることが一番大きな支援のように感じました」