夏の甲子園行きのたった一枚の切符をかけた全国高校野球選手権沖縄大会は、いよいよ明日開幕します。出場する63校の中から、今大会の注目の話題校・強豪校を紹介してきた「めざせ甲子園」はきょうが最終回、大会第1シードの沖縄尚学です。
秋の大会、出場を辞退し春の甲子園へのチャンスを失ったチームは最後の夏にかけています。この夏の第1シード、沖縄尚学！攻守のバランスは他のチームより頭一つ出る優勝候補筆頭のチームだ！その実力は、数字からも伺える！
今大会のシード4校の、春の大会の成績を比較してみると沖縄尚学は春、打率3割2分3厘と、4チーム中ナンバーワン、得点能力では、65安打40得点と、2番手の浦添工業に差をつける。さらに送りバント、盗塁の数もナンバーワンと機動力でも他を圧倒する。
一方、守りでも失点は、全6試合でわずか6点と、40点を奪いながら1試合平均1点しか失わない高い守備力を見せ付けた強い沖縄尚学。しかし、この強さの原点には、チームがどん底まで苦しんだ苦い経験があった。
去年秋の県大会、第3シードで臨んだ沖縄尚学だったが、大会直前、部内の不祥事で出場を辞退。この瞬間センバツ甲子園の夢に続く、道が閉ざされた・・・。
山田義貴投手「その時はもう皆チームどん底になっていたので」比嘉公也監督「大会で勝つために一生懸命練習したのに大会にすら出られない。これほどの苦しみはないと思います」
しかし・・・ 上原勇人主将「足元を見つめて自分たちの野球をしていきたい」上間祐輔三塁手「皆落ち込んで悔しかったと思うけど、すぐに切り替えて目標を失うことがなかったので」前川優外野手「（センバツはだめでも）あと1回あるわけだから、そのチャンスをものにするためにここでへこたれていてはダメという気持ちで取り組んできました」
沖尚ナインは立ち上がる。たった一つ残された甲子園へのチャンスこの夏に挑むために！
比嘉監督「強くなれよ。お前らもっと失敗を悔しがれ！次々って簡単にやるな！わかったか！」
上原勇人主将「厳しさから本当の強さだったり優しさが生まれるというのを比嘉監督から言われているし、その言葉を信じて自分たちもやってます」
「強くなれ！」厳しい冬の時代も必ず春を迎える！足元を見つめ、自分と向き合った沖尚ナインの努力は春結果を出す沖縄尚学は1月の競技力大会で1位。続く春の県大会優勝と、再び栄光の階段を上り始めたのだ！
比嘉監督投手陣「取れ！前出せ！」守りの沖尚！比嘉監督のこの夏の戦力分析はご覧の通り。投手力5 打撃力3 守備力4 機動力3。要は今年も沖尚左右のエース！チーム最速MAX140キロ緩急をつけたカーブには定評がある右のエース山田義貴！左のエースはMAX136キロ、自慢のストレートに加え、カーブ、スライダーが持ち味の坂朝也！これに2年生の比嘉健太郎と、宇良淳の左右の投手が加わる
自慢の打撃力主軸のクリーンナップで今大会注目のバッターは4番上間祐輔！春季大会では3番バッターとしてチームナンバーワンの5割2分4厘と脅威の打率を残し、先月行われた招待野球でも、去年秋の九州チャンピオン、神村学園を相手に、4打数3安打の大活躍を見せた。
上間祐輔三塁手「勝利のための一打であれば」柴引佑真一塁手「上間さんの存在が大きいです」柴引佑真一塁手「プレーでチームを引っ張っている感じがします」その上間に強い刺激を受ける主軸の一人、2年生で、春は4番も任された柴引佑真も好打者だ。そのほか、上位から下位まで、沖尚打線を相手にするチームは息がつけない。
いざ、栄光の舞台へ！臥薪嘗胆！沖縄尚学！72人の部員が心を一つに、7年ぶりの夏のテッペンをめざす！
比嘉公也監督「周りからの声援を力に変えて、それをプレッシャーに感じるようであればいけないですし、それを力に変えて甲子園に行けたらいいと」
柴引佑真一塁手「この大会、絶対頂点とって、甲子園にいけたら良いなと思っています」前川優外野手「秋に出られなかった分、一人ひとりがこの夏にかける思いがどこのチームよりも強いものがあります」
山田義貴投手「甲子園は入学する前からの目標であり、夢でもあったので、このチームでこの夏は最後なのでこのチームで全力で戦っていって、優勝目指して頑張っていきたいと思います」上原勇人主将「めざすは優勝。それだけに向かってチーム一つになって頑張っていきたいと思います」
全員集合「やってやるぞ！オ〜〜！」
高校野球沖縄大会は明日午前9時の開会式でおよそ1ヶ月にわたる熱戦を展開しますが、QABでは毎週土曜日の夕方5時から「速報！！めざせ甲子園！」をお送りし、沖縄球児のこの夏のドラマを追いかけます。