めざせ甲子園!5校目のきょうは辺土名高校です。ここ数年部員不足で悩んでいる野球部ですが、ことしは大きな力となる存在がいました。
沖縄県最北端の高校辺土名高校。目の前に広がる青い海。そして鮮やかな緑に染まるやんばるの山に囲まれ、野球部ものびのびとした練習を送っています。
実はこれで全員。辺土名高校野球部の部員数は9人。今大会、最も部員数の少ない野球部のひとつなのです。その内訳はというと1年生2人、2年生6人、3年生1人。
崎原龍巳三塁手「小学校はバスケット部で、中学校はソフトテニスをやっていました」
平良尚道投手「帰宅部でした」
部員9人のうち5人が高校から野球をスタート!
平良俊主将「部員数は少ないですけど、その分練習が効率よくできる」
濱元良人監督「守備はショートのキャプテン俊くんを中心に。彼がいないと勝利が遠ざかる」
監督もそう語るのはキャプテンの平良俊。守備はもちろん投手陣もその平良を柱として、2年生の平良尚道、1年生の比嘉勇介。この3人の継投で挑みます
そしてチームの4番をまかされているのは、中学時代はテニス部、粘りのバッティングが持ち味の崎原龍巳。
崎原龍巳三塁手「技術面では狙いうちができる」
それぞれが個性を持った辺土名ナイン。しかし実践練習ができないため、練習試合では課題も多く見つかりました
濱元監督「声は出せるだろ。出さないと負けるよ。外野からも声を出したらいいさ」
そんな中ベンチからひときわ大きな声でみんなを盛り上げているのは、3年生の仲村大祐くん。
仲村大祐くん「やっぱり悔いは残りました。緊張でいつものスイングができなかったし、結果も出せなかった悔いの残る最後の大会でした」
ことし19歳になる仲村くんは、大会の規定により夏の大会には出場することができません。春の大会後、一度は野球部をやめた仲村くんでしたが、たとえ試合に出られなくても自分のやるべきことはある。その想いで再びチームに合流しました。
仲村くん「野球部員であることは変わりないし、親にもわがままをいって道具をそろえてもらった。その恩返しをするのなら最後までやるのがいいと思った」
どんなに厳しい状況でも辺土名ナインには笑顔があります。その笑顔の下には9人の想いが…。
米須貴章捕手「教えてもらったこと以上の事をして、これが仲村の弟子だと見せたい」
比嘉惟織外野手「3回戦までいきたい」
泉川滝輝外野手「最高の夏にしたい」
知花拓摩一塁手「まずは1回戦突破」
比嘉勇介二塁手「1勝を目標に」
崎原龍巳三塁手「一つ一つ勝利して、みんなで喜んで」
平良尚道投手「先輩をおーっと言わせる野球を」
平良俊主将「勝ち負けじゃなく、教えられたことをちゃんとできれば」
仲村くん「自分が全力でチームをサポートしていって、ちょっとでも選手が楽になれるような仕事をしていきたい」
辺土名高校9人の思いはこの夏小さなチームを大きく変えようとしています。
『優勝するぞ~!オ~!!』
辺土名高校野球部ですが、夏の大会は他の部活から応援部員を入れて挑むことになります。