沖縄防衛局の真部局長が、宜野湾市長選挙を前に、有権者である職員に「講話」をしていた問題で真部防衛局長は1日、公職選挙法や自衛隊法などに「違反している疑いがあることは自覚している」、と述べました。
これは県議会議員団の質問に対して、真部局長が答えたものです。
抗議の中で新里米吉県議が「むしろ自衛隊法違反、国家公務員法違反、公職選挙法違反の疑いがある。その疑いがあるのを自覚していますか?」と局長に質問したところ真部局長は「その点は自覚しております。自覚している。それだからこそ、今調査が行われているという風に理解しています」と答え、法に反する疑いがあることを自覚していたとこたえました。
問題発覚から一夜明けて1日、防衛省が発表した調査内容によりますと、「講話」は真部局長自らの発案によるもので、宜野湾市在住の職員と、宜野湾市に親族がいる職員68人に対し、およそ10分間行われたということです。
「講話」の内容は、投票日と立候補予定者を紹介した上で、公務員として、選挙権を行使すべきで棄権すべきではないとの内容だったとしています。
真部局長は「基地問題も一つの争点になりうる状況かと思っておりますので」「職員が親戚と接触する場合があるなら」「局の立場を説明できるようにしといてもらいたいと」と講話内容について説明しました。
ある防衛局職員は「私一個人の意見でいいのであれば、局長が法に触れたとは思っていません」と話していました。
また田中防衛大臣は「誤解や批判を受けかねない行為であると受け取りましたので」「近日中に三役会議を開いて、防衛省としての判断を決めたいと思っています」と記者団に話しました。
さらに、2010年に名護市での選挙前にも、同様の「講話」をしていたことが明らかになりました。稲嶺名護市長は1日、「直接の第一当事者である(防衛省の)皆さんが、結果を左右するような行動を起こすのはいかがなものかなと」と感想を述べました。
防衛省では、特定の候補の支持を求めるような内容ではなかったとしていますが、今回の事態を重く見て、詳細が明らかになり次第、真部局長の処分を含め、今後の対応を検討する方針です。