Qリポートです。沖縄の名前で一番多い名字というのは、比嘉さんという調査もあるらしいのですが、そのほかにも金城さん、大城さんなど良く聞く名前があります。きょうは、山城さんという名字がほとんどという集落で毎年開催されている熱いレースに密着しました。棚原さんのリポートです。
沖縄本島中部うるま市石川、山城地区のどかな沖縄の風景を残すこの地区では、80年もの昔から無農薬で栽培されている特産品「やまぐすく茶」が有名。
2012年1月3日、この山城地区である駅伝大会が行われました。年に一度、開催されるという大会を見逃すまいと朝から次々と集まる地域の人々・・・。
皆さんお名前は?「みんな山城だけど」
おばあちゃんから赤ちゃんまで、集合していたのはみんな山城さん。そう、ここ、うるま市山城では、地区に住む9割近くの人の名字がなんと「山城さん」という、超山城密集地帯なのです。
山城さんが集中するこの地区には特別な電話帳もあり、中には名前ではなく、どこどこに住む山城さんの長男坊などとすべて「屋号」で書かれているのです。
そんな山城さんだらけの地区で年に一度行われる駅伝大会は地区を6つの班に分け、各走者が地区内の周回コース2キロを5人のランナーでたすきをつなぐ、総延長10キロの駅伝大会だ。
今年、この大会で悲願の初優勝に燃える班がありました。それが山城地区6班。
6班・山城好治監督「毎年2位か3位というのに甘んじているので、今回は是非とも優勝」
毎年、栄光に一歩手が届かない6班・山城好治監督。今年にかける決意は充分!一方、6班の最大のライバルで、今年の大会の優勝候補の筆頭は、大会3連覇を目指す2班!
2班・山城弘監督「去年が1位でしたので、できれば連覇を狙いたいということです。余裕です」
レース前、連覇の余裕さえ語る、王者2班・山城弘監督はさらに・・・。
2班・山城弘監督「今回は4班に凄い選手が来たということで、6班よりも今は4班をマークしております。6班はあまり・・・笑」
なんと6班の思いを知りながら「アウト オブ 眼中」発言。両監督の火花が散ります。
2班・山城弘監督「選手は熱い思いで臨んでいますので、必ずや1位を取るものと期待しています。6班は頑張ってください」
それぞれの思いを胸に、駅伝大会がいよいよ始まります!
『さあ、レースがスタートしました。レース序盤先頭を走るのは、画面左から5班の山城さん。その右を2番手、黄色いTシャツは、1班山城さん。さらにその右に黄色いたすきは2班の山城さんです』『さらに、その後ろから赤い帽子をかぶったおじさんが走っていますが、どうやらレースにはまったく関係ない方のようです。しかし、恐らくこの方も山城さんでしょう』
レース序盤トップ争いは1班と王者2班。6班が出遅れます。
出遅れていた6班でしたが、徐々に追い上げ、レースは中盤からは2班と6班のトップ争いに絞られます。寒い中、応援する人たちには子ども会から豚汁も振舞われました。
一方、レースは終盤に入っても、2班と6班のデッドヒートが続きます。
「2班が33分59。6班が34分05。これはアンカーは面白いよ。2班は危なくってきたよ~」
最終アンカーにたすきが渡り、いよいよ終盤に入ります!
果たして、6班の初優勝の悲願なるか!それとも2班が逃げ切るか!
1位は2班!3連覇達成です。そのわずか9秒後に、2位の6班がゴールします。
わずか9秒差の悔しい敗戦に、6班・山城監督は・・・。
6班・山城好治監督「けっこう良いメンバーを揃えたんですけど、このメンバーが昨日(の新年会で)ちょっと飲みすぎた感もあったんですよ。(それが敗因ですか?)それがちょっと敗因かもしれませんね。来年はちょっと(メンバーを)監禁してできるだけアルコールを入れさせないようなかたちで臨みたいと思います」
駅伝大会の後は、地区全員で恒例の綱引き大会で幕を閉じた今年の山城地区駅伝大会!勝っても、負けても、どちらも山城さんの笑顔いっぱいの大会でした。