トンネル工事は、うその契約書だらけでした。県が発注した識名トンネルの建設工事に絡んで、すでに発覚していた虚偽契約のほかに、新たに5件の不正な契約があったことが明らかになりました。
県は、20日会見を開き、識名トンネル工事で新たに5件の虚偽契約があり、国の補助金およそ5900万円を不正に受給していたと発表しました。
県は会見を開き「不適切な処理と考えており、県民の皆様に深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪しました。
沖縄総合事務局の検査で発覚した虚偽契約は、本体工事の一部として行われたもので、実際には2008年に工事が終わっていましたが、県は、2009年に工事を行ったように契約書を偽造して補助金を申請していました。
南部土木事務所浜元盛充所長は会見で「予算も年度末でないということで、やむを得ず随意契約を締結したということです」「すべてがすべて不正という認識はございません」と話しました。
県は、11月も、同じ識名トンネル工事で同様の虚偽契約を指摘されたばかりで不正受給の総額は、5億円以上に上ります。
沖縄総合事務局野島孝一郎管理課長は「沖縄県と国との信頼関係を大きく損うような結果になった」「補助金の交付決定の取り消し、さらに補助金の返還を求めていくと」と話しています。
県は、12月9日には事実関係を把握していましたが、20日まで公表していませんでした。
当間清勝・土木建築部長は「細かいところを確認するために時間がかかって、詳細に説明責任を果たせるのが12月20日になった次第です」「再発防止をどうするかということも大切ですけど、責任もしっかり明確化していく必要があると考えております」と話しています。
草柳記者は「不正契約はこれで全てなのか、そして他の工事に不正はないのか、トンネルの出口はまだ見えていません」と話しました。