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この一年を振り返る「2011ここから」。きょうは県政・そして経済です。

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「私たちハワイにいてもウチナーンチュですよ!」「胸がいっぱい。来て良かった」

5000人を超える世界中の県系人が沖縄に集いました。5年ぶりの「世界のウチナーンチュ大会」が開催されたのはことし10月のこと。戦前、戦後と海を渡った先人たち、そして、その子孫たちの笑顔に沖縄中が包まれました。

しかし世界中のウチナーンチュが故郷に帰り、再会の感動を分かち合っているまさにそのとき、招かれざる客ともいうべき人々も次々に沖縄を訪れていました。

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一川防衛大臣「年内に影響評価書を提出できる、そういうい準備を進めさせていただいているということでございます」

あらたに就任した防衛大臣が、辺野古移設にかかる環境アセスの影響評価書を年内に提出すると知事に伝えに来ました。

この前後、相次いで「沖縄詣で」に通った閣僚たち。すべて普天間基地の辺野古移設という日米合意に県民の理解を得るため、というのがその来県の理由。

しかしこの沖縄詣で、振り返ってみるとことしの年明けから始まっていました。顔ぶれは変わったものの防衛・外務、そして沖縄担当というセットは変わりません。

北沢防衛大臣(当時)「沖縄の人に負担軽減を実感できるものにしたい」

そのために県内移設という日米合意を確実に実行する。閣僚が変わっても発言は変わりません。

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沖縄の声が国に届かないという構図も変わりません。アメリカ軍のヘリパッド建設計画が進む東村高江では、建設に反対する住民たちが抗議の座り込みを開始。

工事を進めようとする国は住民と激しく対立。静かなヤンバルの森で怒号に満ちた日々が続きました。

その高江で起こされた、国が住民を訴えるという異例の裁判。通行妨害裁判は12月に結審を迎えました。判決は来年3月に言い渡されます。

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「経済的合理性がない」と二審の判決をうけ、2年間中断していた泡瀬干潟の埋め立て事業。沖縄市は埋め立て面積を半分にするなど計画を見直して工事再開にこぎつけました。

計画に反対する市民団体らは、公金支出の差し止めを求める裁判を再度おこしていて、問題はさらに続きます。

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八重山地区の公民教科書の採択をめぐって、教科書選定の在り方が大きな問題となりました。県では事態収拾のために3市町の教育委員会で再協議を行いたいとしていますが、現在、協議のめどすら立っていません。この問題も長く続きそうです。

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ことしは沖縄にかかわる要人の不適切な発言が続きました。もと米国総領事をつとめたメア氏の発言は県民を侮辱するものとして大問題となりました。そして―。

普天間基地の移設にかかる環境アセスの評価書提出を、女性への暴力にたとえて発言した田中元防衛局長。ただちに更迭され、停職処分」となりましたが、これら要人の沖縄に対する一連の不適切な発言は拭いきれない不信感を県民に植え付ける事態となりました。

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さて、経済に目を向けると厳しいニュースが目立った1年でした。県産菊の出荷量は震災の影響で大幅に落ち込み、泡盛の出荷量は6年連続で減少していて、ピーク時の2004年に比べ8割程度にとどまっています。

開業7年にして乗客数1億人を突破したゆいレール、収益は増加したものの、単年度赤字は8億9000万円、累積赤字は115億を超えています。そんな中、希望の持てるニュースもありました。

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11月、世界最高の知の集積をめざす沖縄科学技術大学院大学創立。いよいよ来年からは本格的に学生を受け入れ、9月に開学します。沖縄から世界へ。そんなチャンスが今年いくつか飛び込んできました。

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「数次ビザはとても便利。今後日本に来るのが便利になります」「来年から東京とか沖縄とか来るつもりです」

沖縄を入口に、日本国内への観光が可能となる中国の数次ビザが発行されました。この数次ビザの影響で中国人観光客の数はこの11月には2900人と前の年にくらべ大幅に増加。数次ビザによる沖縄訪問義務づけは一度のみですが、これをどういかすかが課題です。

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あらたな沖縄振興の核となる沖縄振興一括交付金制度。県はこれを3000億円として要求することを決定。政府は来年度からこの交付金制度を創設することを知事に伝達しましたが、要求額については調整中。24日にも政府案として提出される見込みです。

仲井真知事「(一括交付金は)普天間の問題とはちょっと別で取り引き、トレードオフの関係にはないと思う」

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「お母さんたちの世代とかも大切だけど、自分たちが将来沖縄を引っ張っていくから、ちゃんと考えていかないといけないと思いました」

この日、西原町で開かれたのは子どもたちによる沖縄振興計画のプレゼン。中学生にも沖縄の未来とそれを担う役割を意識してもらおうと開かれました。

テーマは「世界に誇れる沖縄作り」。中学生らしい、伸びやかな振興計画がいくつも発表されました。未来はつねに今を生きる私たちが作っていくもの。沖縄の未来は子どもたちの笑顔のために、ここから始まります。