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「普天間基地の辺野古への移設が進まないからだ」。アメリカ海兵隊のグアムへの移転予算全額削除の理由について、アメリカ上院の有力議員が述べました。

予算削除は、アメリカの苦しい財政事情が最大の要因のはずですが、合意から一夜明け、その矛先は、沖縄に向けられているようです。

アメリカ上院・軍事委員会のマケイン筆頭委員は、訪米中の自民党・石原幹事長に対し、予算削除の原因は、一向に進まない普天間基地移設問題が主な理由だと説明しました。

その一方で、「日米合意の案が基本だ」とも述べ、手続きの進み方次第で、今後の予算確保に含みを持たせました。

また、同じく、石原幹事長と会談した国防総省のシファー次官補代理は、日本政府が、年内に辺野古埋め立てに向けた環境影響評価書を提出すれば、「議会の理解も得られるのではないか」と述べたということです。

一方、海兵隊の移転先とされていたグアム選出のボルダーロ議員は、予算削除という今回の議会の決定に不快感を示しました。

ボルダーロ議員は「再編が進まなければ、海兵隊も基地も今のまま残ることになってしまいます。それは沖縄の人が望んでいることではないでしょう」と話しました。

こうした中、玄葉外務大臣は、アメリカ議会の上下両院の合意で海兵隊のグアム移転を実現させる条件に普天間基地の移設の進展があげられているという認識を示しました。

玄葉外務大臣は次のように述べました。「上院が出しているのは4つの条件を出していて」「いくつかだとして、そのうちの一つに普天間の具体的な進展というものがあると理解しております」「いずれにしても大事なことは、抑止力を維持しながら、沖縄の負担を軽減することについて、しっかり具体化すると。これは日米両政府ともに努力していいかなきゃいけないと」

そもそも海兵隊のグアム移転が困難になった最大の理由はアメリカの厳しい財政状況のはずですが、この状況すらも辺野古移設を進める理由にあげる政府のやり方は、さらに沖縄との溝を深めそうです。