泡瀬干潟の埋め立て事業について5日に計画の一部見直しを含めた条件付き容認を発表した沖縄市の東門市長が、6日開会した12月定例市議会であらためて方針を説明しました。
12月議会の冒頭、東門市長は泡瀬干潟の埋め立て事業について改めて条件付き容認の方針を説明し、理解を求めましたが、議員の間からは賛成側から『頑張れ、市長!』と激励。反対側から『この市長の挨拶は市民に対して無礼だ』などと様々な意見が上がりました。
この声を受けて東門市長は再び説明に立ち、「今後の沖縄市の街づくりに市民と共にまい進したいとの強い思いから、この事業の方向性を示すことが市民の信頼と期待に応えることだと考えた」とあらためて理解を求めました。
記者解説、岸本記者です。東門市長の条件付容認という判断ですが、今回、このような結論にいたった一番の大きな理由は何なんでしょうか?
はい、埋め立て工事はすでに始まっていますから、ここで全てを白紙に戻すことは現実的にかなり難しいので
前向きに市の活性化に生かすしかないという決断だっただと思います。
ここで改めて泡瀬干潟の埋め立て事業について見て頂きたいんですが、この緑の部分が現在埋め立てが進んでいる第一区域96ヘクタールの部分ですね。この部分の埋め立ては東門市長は推進すると。
そしてこの赤の部分が、これから埋め立てが予定されている2期工事の部分です。この第二区域については、干潟の保全などのために計画の一部見直し、つまり埋め立て面積の縮小を求めていく考えです。
規模の縮小を求めるといっても、大規模な埋め立てはこれからどんどん進む訳ですよね。それが本当に町の活性化に繋げられるんでしょうか?
そこが大事な部分なんですが、これが国が7年前につくった計画書。この時の想定が今も生きているんですが『絵に描いたモチ』がとても多すぎるんですね。
フリップでまとめてみたんですが、国が2000年に想定した数字ではこの埋め立て地に4つのホテルが立って年間で56万人が利用すると見込んでいるんですが、建設が確実なホテルは実は一つもないんですね。したがって新たな6000人の雇用も難しいと。
そして、自然環境の保護についても干潟の埋め立て面積は現時点で全体の20%としていますが、残りの80パーセントの干潟の環境にも影響は避けられないと思います。
隣のうるま市の自由貿易地域でも、埋め立てはしたものの企業が思うように入らないとか同じような問題が起きていますよね。
そうですね。自由貿易地域では現在分譲されている土地の11,9パーセントしか活用されていないんですね。
税制上の優遇措置があってもそれだけ企業誘致は困難ということですから今後、どのような計画を作り、国や県にどのような見直しを求めていくのかより現実的に厳しく検討する必要があると思います。