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「岸本記者です。岸本さん、審査会は2回目の答申で『方法書の書き直し』と随分、踏み込んだトーンですね」

「そうですね。その一番の理由は何といっても基地建設を急ぐ防衛省への不信感が一番大きいと思います。」

防衛省は当初、埋め立て事業の目的と内容をわずか7ページでしか説明していなかったんですが、審査会がこれでは、基地建設で環境にどんな影響が出るのか調査できないと追加説明を求めたんですね。そうしたら防衛省は突然、150ページにも上る膨大な資料を出してきたと。この情報の出し惜しみをする防衛省に非常に怒っているんですね、もっと強い言い方で、『審査会は防衛局から馬鹿にされてるんじゃないか』という声もありました。

堤純一郎 琉大教授『現在、行われている(辺野古での)事前調査は防衛省にとっては環境影響評価に関係ない調査と言っていますが(審査会としては)そういう訳にはいかない』

そこであした審査会が提出するアセス法に関する答申の内容ですが、『方法書を現段階で書き直すべきだ』とつまり手続きをやり直しなさいと非常に強い表現を使っているんですね、去年12月に出した県条例に関する答申では『事業内容がある程度決定した上で再度実施すべきであると思量する』という表現を使っていたんですね。これだけでも実質的なやり直しを求める全国的にも例がない答申だったんですが、今回は更に踏み込んだものです。

「実際に、方法書を書き直したり知事がそれを防衛省に要求することは可能なんでしょうか?」

環境影響評価の手続きの中で計画が変更されたり、中止になったものは道路やダム建設で全国的にもあったということですが方法書の段階で知事意見を受けて、中断・やり直しという前例は無いそうです。

審査会の中でも、方法書の書き直しが実際に出来るかどうか法解釈は分かれているんですが、審査員達は、書き直しが出来る出来ないという問題以前に、『今の方法書じゃ不備が多すぎて審査できません』という基本姿勢を貫くことにしたんですね。

「その声を知事がどう受け止めるかですね」

そうですね仲井真知事は先月の知事意見の中で『審査会はこう指摘している』という表現を使って県知事としての立場をあいまいにしたんですね。

今回も、『あくまでも審査会の意見』という言い方で人事のような知事意見を再び国に出すことになれば知事意見のあり方、さらに環境影響評価のあり方自体が問われると思います。