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ことしの平和行進は、震災への配慮もあり開催日程は1日だけ、実行委員会による参加呼びかけも県内各団体のみで、全国的な呼びかけは実施されませんでした。しかし、当日、会場には市民から国会議員まで、続々と集まる参加者の姿がありました。

照屋寛徳議員「怒りを持続して、うちなーんちゅの人間としての尊厳、平和な沖縄を作るために声を上げ続けていかなければ。(Q:我々、本気で怒らないといけないですね?)そう、そうです。怒りを忘れちゃいけない。不条理なもの、不公平、不平等なもの、それに対しては常に怒りを持続しなければいけない」

復帰から39年。基地は動かず、普天間移設問題は暗礁に乗り上げています。その現実を自分の足で、その目で確かめる平和行進。県内、そして県外からの参加者は3000人を超えました。

崎山嗣幸実行委員長「沖縄から基地をなくしていこうという思い。これまで培ってきた平和運動が、連帯しようという気持ちが熱く出たかなという気がします。辺野古移設は破たんしてると思う。辺野古移設がだめという動きの中において、いま日米両政府は焦っていると思います」

先月から今月にかけ、沖縄を訪れた与党や政府要人。来月にも開催されるとみられる2プラス2、そして日米首脳会談を前に、普天間移設問題を進展させようとする政府の動きが目立ち始めました。そして今月、アメリカの議会も…。

ジム・ウェブ上院議員東アジア太平洋小委員会委員長「海兵隊の普天間基地は嘉手納空軍基地に移設して、嘉手納基地の機能を他のアジア太平洋地域に移すべきだ」

先月、沖縄を訪問したアメリカのレビン上院軍事委員長らは、普天間基地の辺野古地区への移設は「実現不可能」として、嘉手納基地への統合を中心とする移設案の検討を提案しました。

39年の間、聞き届けられない沖縄の声。さらに普天間基地の移設先に、ここへ来てまさかの嘉手納統合案が浮上したことしの復帰記念日。怒りの声はことしも、基地の周りに響きました。

『NO BASE! NO BASE!』

参加者・母親「普段、車でさっと通り過ぎてしまうんですけど、基地の広さとか、私たちの生活に基地がここまで来てる、入り込んでるというのを実感しました。きょう歩く意味を(子どもたちに)話しながら参加している。”あなたたちが大人になった時に平和な沖縄であるようにがんばって今日は歩こうね”ということを話しました」

新潟からの参加者「基地があることで、米軍の方々の許せない行為とかそういうことがあって、ある種、植民地化されていると感じました」

参加者「まあこれからもそうですね、県民一致団結して基地の撤去にむけて行動を起こすべきだと思います」

参加者「実際に(沖縄に)くるのは初めてで、基地を見て(基地は)なくさなければいけないという強い思いがますます強くなりました」

参加者「本当に平和な世の中になったらいいとみんなが安心して暮らせればと思います」

参加者・お父さんと子ども「こっちにヘリが落ちて、これがヘリ。だからこんな基地要らないって、歩いてるわけさ」

3000人の行進は、およそ4時間後にゴール。引き続き行われた県民大会には、最終的に3300人が参加しました。登壇者は普天間の県内移設を確認した日米合意を撤回し、辺野古への移設や高江ヘリパッドの建設を断念することなどを口々に訴えました。

安里宜野湾市長「本市は今こそ、15年も県民を県民を翻弄し続けてきた”県内移設”を断念させ、普天間問題に終止符を打つことが市政発展の大きな一歩に繋がると確信をしています」

崎山委員長「憲法のもとにおける基本的人権、平和的存在権がいま(復帰から)39年たった後にも脅かされ続けています」

参加者「(Q:何回目です?)何回目って、来れるときには、若い頃からだと何十回ですよ。復帰したら日本と一緒、日本だって言うけど日本じゃないわけでしょ。どうしてだろうといつも疑問を持ちながら。いつになったら自分たちの、沖縄の希望を聞き入れてもらえるんだろうって」

参加者「(基地問題は)私たちの地道な運動以外に解決不可能ではないか。政府に期待はできません」

参加者「政権も変わって、期待もしたけどかわらない部分にはすごいワジワジーというか、もう少し沖縄のことも考えてほしいと思っております」

参加者「命のある限り、沖縄の基地問題というのは、僕たちが訴え続ける義務があると思います。戦争を生き延びた人間として、今のような状態を子や孫の時代に残すというのは絶対に、自分自身に許せない」

参加者「私たちはもう66年間もこの基地の中で生活していました。もうこれ以上がまんできない所まで、みんな気持ちが高まっていると思う」

私たちが望んだ形ではない本土復帰から来年で40年。そのあまりに長い年月を、日米両政府はどう見ているのでしょうか。