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前回の4倍、国内の裁判史上最大規模となった嘉手納爆音訴訟。その背景にある騒音の実態を取材しました。

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町民の3人に1人が原告となった嘉手納町。原告団嘉手納支部を引っ張っているのが仲本兼作さんです。

仲本兼作さん「口では表しようがないほど、例えばなんですが、体を突き抜ける音。これは耐えられないくらい苦痛」

仲本さんの自宅兼職場はアメリカ軍基地のフェンスから100メートル足らず。朝晩問わず、激しい騒音に晒されています。

ここを週に一度訪ねるのは、琉球大学工学部環境建設工学科の渡嘉敷健准教授。屋上に騒音測定器を設置し、データを採取しています。私たちが取材に訪れたわずか10分の間にも戦闘機6機が相次いで離陸。騒がしい工場内に相当する90デシベル以上の騒音や電車が通過する際のガード下に例えられる100デシベルの激しい騒音が繰り返し発生しました。

渡嘉敷健准教授「(80デシベル以上の騒音というのは)車を一番間近でクラクションを鳴らすとか、救急車のサイレンが音を出している。うるささはかなり感じると思います」

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実際、嘉手納町の騒音はここ数年、激しさを増しています。嘉手納町によりますと深夜早朝の騒音は、普天間基地の返還が合意され、日米が騒音防止協定を合意した1996年度から2006年度までが年間1000回から2000回で推移しているのに対し、嘉手納基地から本土への訓練移転がスタートしたはずの2007年度以降は急激に増加。2009年度には4992回、そして2010年度には過去最多の5320回と増え続けているのです。

嘉手納町議会基地対策特別委員会・田仲康栄委員長「度重なる外来機の飛来と訓練、爆音被害の解決を求めてきたが」

激しくなる騒音。その原因の一つとみられているのが、アメリカ本国や日本国内の他の基地からやってくる「外来機」。政府は「県外への訓練移転をすすめ基地負担の軽減を図っている」と強調しますが、その一方で嘉手納基地には外来機の飛来が相次いでいるのです。

嘉手納町民の3人に1人が原告になったことについて当山町長はー。

嘉手納町・当山宏町長「いくら負担軽減、騒音の軽減、事件事故の解決を要望しても、一向に改善されないという意味からすると、町民の心情も決してわからないわけではない」

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そして迎えたきょう。嘉手納町からもたくさんの人が裁判所に駆けつけました。

仲本兼作さん「恐らく1人1人が我慢の限界。耐えるに耐えられない状態だということで、訴えてきている。爆音はいらないんだという強い意思を持ち続けられるかということが、恐らく課題ではないか」

激しさを増す騒音を背景に2万2000人にも膨れ上がった原告団。彼らの訴えを司法がどう判断するのか。その行方は、今後の基地問題に大きく影響するものと見られます。