夏の県大会のシード権もかかった県春季高校野球大会は、きのう63校の頂点を決める決勝戦が行われました。興南や沖縄尚学などシード4校が、ベスト4に入れない激しい大会、熱闘の決勝戦です。春の県大会決勝戦に勝ちあがったのは、いずれもノーシード,秋の大会では、ともに2回戦で破れたチーム。22年ぶり2度目の決勝戦、嘉手納対、2年連続6度目の決勝戦、糸満。
嘉手納の先発は、身長164センチの小さなエース、名渡山大地。名渡山は地面すれすれから繰り出すアンダースローを武器に強打糸満打線を相手に打たせて取るピッチング。しかし3回、糸満は、2アウトから1番、神里和毅がフォアボールを選び出塁すると、野球部対抗競技力大会100mナンバーワンの俊足を活かし,すかさず二塁を落とし入れ、チャンスを広げ、2番当間栄太郎,ショートのグラブをはじくタイムリーで糸満が先制します。
しかし、その後糸満は、嘉手納の前に、再三のチャンスを逃します。5回1アウト二塁、三塁で・・・ スクイズ失敗!続く6回にも・・・ 一方、先制を許した嘉手納でしたが、5回途中からは、去年のセンバツ甲子園も経験している糸数への継投策で糸満打線を抑え込みます。
手ごまをフルに使って迎えた嘉手納、我慢の8回、真玉橋監督は先頭バッターに代打、宇根大翔を送ります。どんぴしゃの監督采配で宇根が出塁すると、送りバントとヒットなどで、1アウト満塁のチャンス。ここで2番、古謝隆正がレフトへの犠牲フライ!ついに、嘉手納が同点に追いつきます。
流れはやや嘉手納に傾いているかに思われました。しかし、糸満のベンチでは 糸満 宮城拓幸選手「ベンチの中では我慢勝負で、試合の後半に気持ちが強いほうが勝つからまずは声を出していこうと言っていました」糸満・上原忠監督「皆でスコアボードを見て、あと一つ9回ウラのスコアボードに得点が入っていないから、あそこで皆が心を繋いで“1点入れよう”という思いを皆で心を一つにしました」
9回ウラ、攻める糸満は、先頭バッター5番上原佑介の3ベースヒットなどで、ノーアウト二塁、三塁。迎えたバッターは、7番、キャプテン宮城拓幸!糸満 宮城拓幸選手「まずは思いっきり振ることだけを考えました」宮城の打球は、レフトへのサヨナラタイムリー! 糸満は、2年連続の春頂点、夏の第1シード確定です!
糸満 宮城拓幸選手「(夏の県大会は)第1シードですけど、今の沖縄はどことあたってもどこが勝つかわからないし、シードとかはあまり考えないで、あたった対戦相手だけを倒すことを考えて戦いたいです」
糸満・上原忠監督「この優勝をバネに夏の甲子園を獲りたいと思っています」糸満 山城翼投手「夏が本番なので、九州大会で大きく成長して、また夏にのぞみたいです」
嘉手納・真玉橋元博監督「悔しいがこの子達は力を出し尽くしたので後悔はないです」「また一から出直して頑張ります、夏に向けて」
さあ、これで夏のシード校は、糸満・嘉手納・浦添商業・沖縄工業に決定しています。