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2012年、南城市に大型商業施設がオープンします。小学校の跡地を利用したこの商業施設で、企業と行政が県内では初めての試みが行われます。

2012年春、南城市にオープンするショッピングセンターの建設予定地は小学校の跡地。手狭だったこの敷地から、去年移転した大里南小学校の跡地を利用する建設計画が進んでいます。

琉球ジャスコの栗本建三社長は「多くの卒業生もみえますし、今回、新しい学校に移転した生徒たちもみえますから、その人たちにとって記念になる店舗に仕上げないといけない」と話しています。

企業側も県内では初めてとなる学校跡地の店舗づくりに取り組んでいます。

そして今回の出店は行政と企業の連携で県内初のコンセプトが実現しました。ひとつは学校跡地・市有地を売却せずに賃貸としたことです。

南城市の古謝景春市長は「学び舎として使われてきた場所を転売するというのは卒業生にも悪いだろうということで、賃貸にして、永続的にそれが子どもたちの教育に使えればいいのではないかと」と話しています。

そしてその賃料を市の子ども育成のための基金として積み立てていくことが決まりました。

そして古謝市長は「(子育てを)少しでも手当できるようなシステムができないかということで、これまでそういう基金の創設を考えていたんですが、なかなか踏み込めなかった。こういう機会にそれを活用しようと」と話し、栗本社長も「子どもたちがどれだけ元気に健やかに成長されるか、これが将来の市にとっても街にとっても、私どものショッピングセンターにとっても重要なことだと思っています」と話しています。

思い出の小学校跡には市民が集う場が作られ、その跡地が子ども達を育む基金を生み出す。今回の取り組みは企業と行政とがタイアップする、新たなモデルとなりそうです。