Qごろ〜が今回出かけたのは旧正月の頃の「粟国島」。旧の大晦日から正月にかけて行われた伝統行事を通して何かを再発見したようです。何を見つけたのでしょうか。
粟国島は那覇から北西に60キロ。フェリーで2時間。集落には美しい福木並木。そして、あちらこちらに水で苦労した事を示す岩を繰り抜いた水がめが残っています。
あっ、Qごろ〜学校だよ。
「おはようございます」「おはようQごろ〜!」
声かけてもらうと嬉しいね。Qごろ〜。
粟国小中学校は児童生徒が82人。声をかけてくれた中学生の由加里さん。奈美さんは仲良し姉妹です。
Qごろ〜、きょうはふたりが島の案内してくれるらしいよ。じゃあ、学校が終わるまで、お散歩してこようか。
粟国と言えば「塩」。そして、ここは製糖工場。この建物ではさとうきびを利用した新製品づくりに取り組んでいます。工場長、これはどんな機械なんですか?
沖縄さとうきび機能研究所・又吉広工場長「まずさとうきびを真ん中のカッターで半分に割る。割って、きびの柔らかい部分、中身だけをここではぎとるようになています。そういう仕組みになっているっていう感じかな?」
皮と皮の表面のワックスと呼ばれる成分と中身を分ける機械なんですね。中身だけで絞った汁は、えぐみのない砂糖に。そして繊維はかりゆしウェアやタオルに生まれ変わっているんだよ。面白いねえ、Qごろ〜。
粟国農漁村生活研究会・安谷屋英子さん「これも島のためなんですね。粟国のため。ひとつひとつ商品が増えていくっていうのは、本当に粟国の誇りが持てる」
島のためにと、お母さん達が5年もかけて完成させたのは、島でとれたもちきびが入った「かりんとう」。
さて、そろそろ学校が終わった頃だし、由加里さんと奈美さんのところに行こうか。それにしてもこの島やたらとソテツが多いよね。ほらここにも。ここにも。
由加里さん・奈美さん「見て見て!Qごろ〜粟国はソテツがいっぱいあるんだよ。しかもこのソテツで味噌も出来るんだよ」
ホントに島にあるものをうまく使っってるよね。
この島が大好きなふたり。そういえば、旧正月を迎える行事でもひと役かっていました。Qごろ〜、旧の大晦日にタイムトラベルするよ!
ほらQごろ〜、子ども達が集会所で身支度をしていますよ。
Qごろ〜「英語の助手先生も似合ってるなの!」
奈美さん「やっぱりマースヤーは踊るのが楽しい。普段踊らないんで、こういう時しか踊らないから楽しいです」
旧正月を迎える行事「マースヤー」。島の11の集落ごとに、夜から明け方にかけ、全ての家々を回って地域の無病息災と豊穣を祈ります。
マースヤーの口上『ここの家の方が入っておいでとおっしゃたので入ってまいりました』
マースヤーの口上『これは火の神の塩、これは子や孫の塩、これはおじいさん・おばあさんの塩です』
集落ごとに少しづつ形態は違うものの、新しい年の繁栄を願う地域への思いは一緒。
その頃、伊久保原の由加里さんと奈美さん達も。島には中学までしかなく、中学3年生にとってはこれが最後のマースヤーです。
由加里さん「これが最後なので楽しんでやってます。(最後と思うと)切ない」
この日の天気は雨。風も強く、気温は14度。体が芯まで冷えます。でも、誰も弱音をいいません。
奈美さん「寒いです、大丈夫です」
中学を卒業すると島を出て行く子ども達。送り出す大人達も、子ども達が島にいる間に島の良さを伝えたいと思っています。
粟国小中学校用務・新里浩子さん「行事を通して、子ども達自身も島に対する思いというのを深めているかと思います。祖先からこれだけのものを受け継いできたから、それを積み重ねてきた重さ、それを守ってきたものというものがわかりかけてくるのは確かです」
Qごろ〜、みんな島の事が大好きなんだね。
奈美さん「(姉には)粟国の事を、那覇に行ってもずっと粟国の事を忘れないでほしい。(Q:粟国はどのくらい好きですか?)人生で3番目くらいです。1番目はやっぱり『命』、2番目は『家族』」
由加里さん「(島の人は)やさしい、楽しい、面白い。(Q:どのくらい好き?)言葉に出せないくらい」
Qごろ〜、島の人達が大事にしてきたのは、ふるさとの人々や島そのものを思う気持ちなんだね。改めて、ふるさとっていいものだなあと感じたQごろ〜でした。
粟国は旧正月には人口が2倍になるそうです。伝統行事は面倒だと思う人もいるようですが、子ども達は大人達と一緒に地域の行事に参加しながら、ふるさとへの誇りと愛着を深めていくのですね。