県内の公立高校では3月1日、一斉に卒業式がありました。皆さんいろいろな思いを胸にこの日を迎えたかと思いますが、そんな中、亡くなった娘の遺志を継ぎ、卒業式に望んだ女性を取材しました。
福嶺初江さん「『習うは一時の恥、知らぬは一生の恥』と思い、70歳でコザ高校定時制となりました」
去年10月、定時生、通信課程で学ぶ高校生の生活体験発表大会で見事、優良賞を受賞した福嶺初江さん73歳。福嶺さんは高校に通う傍ら、介護の仕事やIT関連の副業もこなしています。
『今度卒業なさるの?して、結婚は?』
福嶺さん「はい、彼氏も学校で探した(笑)」
介護施設ではおばぁちゃんたちの笑いを誘ったり、高校で学んだ草を使ってのおもちゃ作りを披露したりと、みんなの人気者です。
『卒業おめでとうございます。私達も習うべきところがあります』
そんな福嶺さんが高校に通う決意をしたのは8年前、コザ高校の定時制に通っていた娘と孫が一生懸命に勉強していた姿に刺激され、3人で通いたいと思ったことがきっかけでした。しかし、在学中に娘が亡くなり、娘を失った悲しみで高校へいくこともあきらめかけていました。
福嶺さん「私も少しでも見習わないといけない。亡くなる前の勉強などでも影響を受けました」
福嶺さん孫・綾乃さん「途中からは応援して、初めは大反対」
毎日学校へ通い、この日を迎えたのです。
福嶺さん「あんたのぶんまで頑張って卒業できたよーって言いたいですね」
『卒業証書。福嶺初江、右は本校の商業科を卒業したことをここに証する』
綾乃さん「3人で卒業できたらっていうのはあったんですが、代わりにやってくれてよかったです」
福嶺さん「とても気持ちが若くなりましたね、今までよりも。70代じゃないですね50代?(笑)」
娘の果たせなかった高校卒業を果たし、すごいですね。福嶺さんこれから命の花を咲かせたいと意気込んでいて、たくさんの夢を抱いていいるようです。