国との間で対立の構図となっている補助金不正受給問題について、国頭村の上原康作村長は17日、国に不服申し立てを行う方針を改めて示しました。これは17日の国頭村議会予算特別委員会で上原村長が示したものです。
委員会では一般会計予算の審議が始まりましたが、北部振興策の園芸農業活性化事業にともなう補助金の不正受給問題が取り上げられ、国が加算金を含めておよそ6600万円の返還を求めていることについて、議員が上原康作村長に対応を質しました。
これに対し上原村長は、国の求める返還額と村の算出した額には大きな隔たりがあるとして、国に対し不服申し立てを行う方針を改めて示しました。
取材した久田記者に入ってもらいました。4月2日までに村に6600万円を払えというのはどういうことですか?
久田記者「問題を整理しますと、国頭村は2005年度、北部振興策の事業で総事業費およそ1億4千万円のうち、国から1億2千万余りの補助金を受けて21戸のハウスを建てました。村はこのうちの16戸で、未着工や未完成にも関わらず、「完成した」と国に偽って報告し、補助金を受け取っていたとされています。このため国は、不正に受け取った5500万円と加算金の返還を求めているというわけです」
その補助金は他のことに流用されたりしたんですか?
久田記者「流用された事実はありません。村は不正に補助金を受け取った事実は認めていますが、あくまで手続きの怠慢だったという主張です。着工は最大で2ヶ月程度遅れたものの、すべて完成しています」
国頭村・上原康作村長「あまりにもやりすぎ。実害は無い。目的は達成しているんです。確かに違法行為はある。あるから捜査も受け、告訴もされているわけですから。それはそれでしっかり受け止めているわけです。(返還金の負担で)住民まで不幸にさらすことはないと思う」
久田記者「一方、国はインタビューには応じてもらえませんでしたが、担当者は年度内に使わなかった補助金はすべて返還の対象としています」
久田記者「村は不正に受け取った額にあたるのはこの2000万円あまりだけだとして、国が算出した5500万円と比較するとこのように3500万円ほども差があります」
村に対しては返還命令という厳しい形で請求を受けているんですが、今後どう展開するんですか?
久田記者「村はあくまでも支払うべき金額はこの2000万円あまりだとして、現在、国に不服を申し立てる準備をしています。加算金も合わせて6600万円というのは、経済規模の小さな村にはどうしても飲めない額のようで、徹底的に争う構えです」