玉城アナウンサー「楽園の海案内は水中カメラマンの長田勇さんです。宜しくお願いします」
長田勇さん「今回は、八重山諸島にある黒島で潜ってきたんですけど、牛で有名な島ですよね」
玉城アナウンサー「どんな映像が観られるんでしょうか!VTRをご覧ください!」
長田勇さん「牛まつり開催直前にお邪魔しました。今回は『黒島 Diving Service ひでsun』の桝谷さんご夫婦に案内して頂きます。

長田勇さん「ひでさん操船のもと、黒島港を出てポイントまではおよそ3分です」
玉城アナウンサー「3分!とても近いんですね」
長田勇さん「はい!奥に見えているのは西表島。ポイント名『黒島ビタロー横丁』へ、早速エントリー。水深は8m。ここの見所は、見えてきました!コモンシコロサンゴの群生です。高さ5m×直径15m。この大きな山はほぼほぼこのサンゴで形成されてます」
長田勇さん「ひでさんが2012年に見つけた、オリジナルポイントです。黒島周辺でこの規模の群生は他の場所ではまだ見つかっていないそうです。ひでさんと比べると、規模が分かりますかね?」
玉城アナウンサー「本当に大きいですね!」
長田勇さん「このサンゴ、普段見かけるサンゴとは雰囲気違いまよすね。面白い形です。ただ、先端が禿げてしまっているサンゴが多かったんですが、原因は、昨年の水温上昇で白化してしまい、部分的に死んだ所に藻が生えたようです」
玉城アナウンサー「それにしても黄色い魚の数、凄いですね?この魚は何ですか?」

長田勇さん「この魚はビタローです。和名はヨスジフエダイ。ガーリックバターで炒めると美味しいですよね。黄色のボディに白い線が4本。この模様が、名前の由来です。サイズ的には、若い個体が多く感じました」
長田勇さん「ひでさん想定でおよそ500匹。様々な場所のコモンシコロサンゴの群生を見てきましたが、サンゴの大きさとしては中規模ですが、この魚が住み着いている魚の数としては、ビタロー横丁が圧倒的にNO.1です」
長田勇さん「他の魚も住み着いています。頂上付近の窪みで休んでいるのは、アカマツカサやセグロマツカサウケグチイットウダイなど。急いだり慌てたりしている魚が全くいないのでいかにも『平和』って感じです」
長田勇さん「ただ、魚たちの天敵も同じ場所に住み着いているんです。『俺についてこい』とフィンに書いてあるのでついて行くと、白っぽい塊が。岩陰に身をひそめて獲物を待つオニダルマオコゼです」
玉城アナウンサー「動かないと魚には見えませんね」
長田勇さん「そうですよね!オニダルマオコゼは、背鰭に猛毒を持ってます。毒を持つことによって自己防御しながらさらにカムフラージュも完璧!」

玉城アナウンサー「どうやって獲物を捕獲するんですか?」
長田勇さん「獲物が目の前に現れた瞬間、飛びついて丸呑みします」
長田勇さん「死んでしまったサンゴの上で獲物を狙う魚もいます。ミナミアカエソ。瞬発力のある魚でオニダルマオコゼと同じように目の前に来た獲物に飛びかかって捕まえます。口が小さいので丸呑みは難しいかもしれませんが、牙も鋭いので一度咥えたら離しません」
長田勇さん「外敵から身を守るため、サンゴを棲家としている生き物もいます。直径40cmほどのミドリイシサンゴに住むデバスズメダイ。警戒心が強いようで、なかなか顔を出してくれません。上から見ると、縫うように移動してました」
長田勇さん「手前にあるスリバチサンゴ見て下さい。そこで寛ぐホシゴンベ。本気で隠れているようには見えませんが、じっとしていることでバレないようにしつつ、サンゴの上で暮らしている感じですね。ひでさんが近づいても、一旦は逃げるもののちょっと移動しただけで、またサンゴの上へ」

玉城アナウンサー「お気に入りの場所のようですね」
長田勇さん「そうみたいですね!そして隣の岩に隠れている生き物がいました。タコです。自己防衛でしょうか?家の前にサンゴの死骸などを置いて即席の壁を作ります。8本の手を使ってますが、どの手を動かしてるのかよく分かりますよね」
長田勇さん「この黒島のビタロー横丁は私も今回初めて潜ったんですが、いつまでも残して欲しいポイントだと撮影しながら思いました」

長田勇さん「人口220人に対して牛3000頭で有名な島ですが、ビタロー500匹も、ぜひ島の情報に追加してもらいたいです!」
玉城アナウンサー「私ビタローのバター焼き大好きなのでおいしそうだなーと思いながら見てしまいました。今回もありがとうございました。以上楽園の海でした!」