※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

復元が進む首里城の今と、人々の思いを伝える「週刊首里城」です。今回は、復興の今を世界に届けようと力を尽くすうちなーんちゅを紹介します。

来年秋をめざして、正殿の完成が近づいています。建物の上層部分、このあたりでは漆塗装の最後の工程「上塗り」が完了したところも。

第20回 週刊首里城「見せる復興を担当・上原花さん」

令和の正殿の壁板などの仕上げには、王国時代に用いられていた「久志間切弁柄」と呼ばれる朱色の塗料が使われます。つまり火災前と色が変わるのですが、比べてみるとこんな感じ。

屋根の左右には、福井県で制作された「懸魚」と呼ばれる飾り板が取り付けられ華やかさが増しました。

第20回 週刊首里城「見せる復興を担当・上原花さん」

そんな復興の今を世界に届けようと奮闘する人がいます。沖縄総合事務局の上原花さん(那覇市出身)。担当しているのは、令和の復元のテーマ「見せる復興」です。

上原花さん「首里城のホームページに、正殿工事に携わっている若手職人のインタビュー記事を掲載する、その記事の内容確認をしていた」

正殿の再建工事がスタートした2022年度から県内外、メディアの取材調整、現場での立会いや、時には、自ら再建の状況を発信することもあります。

また、来園者が工事の様子をガラス越しに見られる見学エリアに設置する展示物の検討などにも携わってきました。

第20回 週刊首里城「見せる復興を担当・上原花さん」

上原花さん「多くの人のいろんな思い多くの寄付金があっての首里城復元なので、ただ完成したものを見るだけではなく復興の過程を(来園者と)一緒に追いかけていくというのが今回の復元の大きなポイント」

上原さんが目指しているのは、老若男女楽しめる展示。伝統的な技法を分かりやすく説明したり、実際に現場で使われたものを活用したりと、来園者に見て触れてもらうことで復興をより身近に感じてほしいといいます。

さらに、現場で日々汗を流す職人にフォーカスしたい、若い世代に首里城を知ってほしいと考案したのが県内の学生に再建現場を撮影してもらう取り組みです。

第20回 週刊首里城「見せる復興を担当・上原花さん」

上原花さん「火災前も知らないこれが初めての首里城と語る学生もいたが、それでも現場を実際に目の前で見て写真で収めることで、『首里城ってこんなふうに作られていくんだ』『もっとこれからも追いかけていきたい』『また写真を撮りたい』と言ってくれるのがとてもうれしかった」

試行錯誤の日々で、原動力となっていたのは「歩み続ける正殿の姿」その復元に携わる一員となれた喜びだったと話す上原さん。だからこそ、抱く思いを最後に教えてくれました。

上原花さん「今までもこれからも、いろいろな人の色々な力が合わさってひとつのものを復元していく、という過程を見られるのはなかなか無いこと。まだまだ工事の様子も見学できるし、完成してからも多くの人に見に来てほしい。長く多くの地元の人に愛され、観光客にも楽しんでもらえる公園になっていけばと思う」

第20回 週刊首里城「見せる復興を担当・上原花さん」