辺野古への基地建設に反対を訴えて当選した稲嶺名護市長が、就任一周年を迎えます。政府が立場を大きく変え、再編交付金を凍結するなど波乱の一年でした。
今月末で当選から一年を迎える名護市の稲嶺市長が18日に会見し、あらためて辺野古の海にも陸にも基地を造らせない考えを強調しました。
基地問題に関し、稲嶺進名護市長は「沖縄を説得するのではなく、沖縄の負担軽減をもっと真剣に考えてほしい」と話しました。1月24日で当選から1年になる名護市の稲嶺市長。就任して半年も経たないうちに普天間基地の県外移設を掲げていた民主党が方針転換し、この一年は、政府との対立に悩まされました。
2010年12月には政府が再編交付金の凍結を発表。これに対して稲嶺市長は「アメとムチというのが現実のものとして形としてある。それが政府の体質だと思わざるを得ない。それでも私は海にも陸にも駄目だと言ってきましたし、再編交付金に頼らない街づくりと公言してきました。あったらいいなということと、なくてはならないといいうのを見極めないと」と政府を厳しく批判しました。
また、名護市に対してふるさと納税という形で寄付が急増していることについて稲嶺名護市長は「名護市への応援」であると同時に「国への反発の表れ」だとし「今後は基地がらみの交付金に頼らない街づくりができるよう知恵を絞りたい」と話しました。
このふるさと納税、全国の人々が名護市の財政運営を心配して援助を申し出ています。政府が方針を変えて名護市と対立したにも関わらず、兵糧攻めにするという構図は放置できないと。それで名護市民の意志をつらぬけないとしたら本末転倒だと資金面で応援が広がっていますが、その額や継続性の面はともかく、基地に頼らない市への大きなバックアップになっているのは確かなようです。