琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊和雄さんです。よろしくお願いします。
湊和雄さん「よろしくお願いします。さて今回のテーマはこちら「ナナホシキンカメムシ 越冬集団」「チョウも少ない今年の冬は例年のように亜熱帯の冬に活動する生き物を紹介しがたい状況です。冬に繁殖するカエルはもう少しお待ちください」
そんな中でも元気で頑張っているのはこれまでにも何度か紹介したことのある集団で成虫越冬するナナホシキンカメムシです。
リュウキュウの自然では毎年紹介しているカメちゃんですね。
湊和雄さん「今年の越冬集団の規模はどうなっているのか、そして過去5年間の流れなど振り返ってみます」
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湊和雄さん「これまでにも何度か紹介したナナホシキンカメムシ、メタリックグリーンの亜熱帯らしい美しさをまとい、そしてしかも大型のカメムシです」
体長16から20mm。琉球列島に生息
足の付け根は赤く、半分は青色でアップで見ると一層美しいですね。
湊和雄さん「成虫になった直後にも短期間集団が見られますが、秋になると様々な植物の葉の裏に集団を作り成虫で越冬することが知られています」
一瞬「わ」ってなりますが、金色に光っているから見ごたえがあります。
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湊和雄さん「しかし、その集合の程度は年によって異なります。これらが今年の冬の集団です。集団はいくつか確認されましたが、ひとつの集団は20匹前後のあまり大きなものではありません」
少ない方なんですか!
湊和雄さん「これまでの観察から中規模の集団と言えるでしょう。ただ、毎シーズン3箇所ほどで、このような越冬集団が見られるのですが、今年は、この1地点だけなのです。残りの2地点では、全く見られませんでした。それが少し心配です」
この葉は多いですね。
湊和雄さん「4年前の2020年から2021年に掛けての冬に観察された集団はこれまでで最大規模のものでした。集団の個数も、ひとつの集団の大きさもかなりのものでした」
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湊和雄さん「これが、最大の集団。何とあのクワズイモの葉裏に集まっていました。普通サイズの木の葉の裏では、これだけたくさん集まることは出来ませんね」
1、2,3,4,5,6,7 何匹いるんでしょう?
湊和雄さん「数えてみたら165匹もいました。その日によって、薄く分散したり少し集まって盛り上がって見える日もありました」
湊和雄さん「これは、その翌年2021年から2022年にかけて(3年前)の集団ですこのときは、集団の数も規模もかなり小さなものだけでした」
先ほどの見たら2匹で越冬は寂しい気がします。
湊和雄さん「これはさらに翌年2022年から2023年にかけて(2年前)の集団です。前年よりも、集団の個数も規模も復活傾向の印象を受けました」
湊和雄さん「そしてこれは、昨年2023年から2024年にかけての集団この年の集団は小さく、そして数も少ないものでした」
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湊和雄さん「このように過去5年間を振り返ってみると多い、少ないという傾向が隔年で生じているような印象を受けます作物、例えば柑橘類の収量には表年と裏年が交互にあると言われますがナナホシキンカメムシにも同じよう傾向があるのかもしれません」
来年は豊作になるといいな今回も貴重な映像ありがとうございました。リュウキュウの自然でした。