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うちなーむ〜んです。深みのある藍色が美しい宮古上布、その仕上げの工程「きぬた打ち」をご存知でしょうか?上布につやと風合いをかもし出す大事な作業、今日はその技術の継承につとめる親子を取材しました。

黙々と目の前の布を打つ、砂川一人さん。2年前から、宮古上布のきぬた打ちに取り組んでいます。指導しているのは父の猛さん。猛さんの父、つまり一人さんの祖父もきぬた打ちの職人でした。この技術を息子にも伝えたいと、自分の工房で指導を始めました。

木槌で布を叩き、つやをだす工程。この作業が、透けるほど薄く涼しく、そして美しい宮古上布を完成させます。上布の深みをますために、なくてはならない仕上げの作業ですが、布全体を均一の力で、一定のリズムで打ち伸ばすには熟練した技術が必要です。

一人さん「その辺が難しいなと。単純な作業なんですが深いな、と感じています」

猛さん「若い人たちがこれからどういう風にやっていくか、私たちも一緒になって考えていかなければいけないと思う」

きぬた打ちを始めたとき、一人さんは猛さんと「まず3年間続ける」という約束をしました。しかし伝統に触れ技術を学ぶうちに、考えが変わってきたといいます。

一人さん「みんなから満足される、信頼されるような”あの人だったら安心して任せられるよ”と思われるような仕事をしていきたいと」

まっずぐ伸び始めた若い職人の心。猛さんは、一人さんや若い世代とともに、島の暮らしのなかに息づく宮古上布を守っていきたいと考えています。

猛さん「宮古上布というものが400年も500年も続いているということ、さらにこれからも何百年も続いていくべきものだというそのプライドを持ってやって欲しいと思っています。」