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特集です。今月は県酒造組合が定めた「泡盛月間」です。泡盛と言えば、今月、ユネスコの評価機関が焼酎や日本酒とともに「伝統的酒造り」として、ユネスコの無形文化遺産に登録するよう勧告を出しました。

これから、注目度が高くなるお酒のひとつになると思われる泡盛ですが、出荷量は減少していて厳しい状況が続いています。そこで今回は、泡盛の今と新たな楽しみ方を紹介します。

「泡盛ライチカクテルです」

沖縄で古くから飲まれている泡盛。琉球王国時代には作られていて、1671年に尚貞王から4代目将軍の徳川家綱に送られた献上品の目録に「泡盛」という表記が確認されているといいます。

多くがタイ米を原料に「黒麹」を使って発酵させるなどして作られていて、完成した一品は透き通った見た目に、唯一無二の芳醇な香りとコク深い味わいに仕上がっています。来月には泡盛の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録される見通しとなり、世界的にも注目されています。

泡盛取り巻く状況と新たな楽しみ方

あなたにとって泡盛とは?

県内出身で県外在住(30代)「強いから酔っぱらうみたいなイメージはあります」「味はどうですか?」「飲んだらおいしい」

観光客(50代)「独特な香りというか、おきなわで飲んだからかもしれないけどおいしかった、香りがすごい良かった」

観光客(30代)・観光客(40代)「(以前飲んだ時に)すごく強かったのであまり飲んでいない」「口当たりが強いのかな?」「もっと飲みやすくなったらいいな」

泡盛取り巻く状況と新たな楽しみ方

県民(30代)「ロックで飲むのが多いが泡盛の香りがその後のお酒を飲む欲をそそる」「(会社の飲み会でも)最初に乾杯でオリオンビールをのんで、その後にボトルを注文してみんなで割って飲むことが多い」

県民(40代)「若い時に安い泡盛を飲んでいたから。あんまりいいイメージがなくて今も飲まないけど、本当はいい泡盛いっぱいあるんだろーなー、でも手は出さないなー」「飲んだらおいしかったんだよね?」「(若い世代には)おっさんのイメージなんじゃない?」

天国酒場 藤嶌公人さん「40歳以上の方が(泡盛を)多く頼むイメージ。若い人でいうと飲みたい人は少ないのかなと」「まずは飲んでもらうところじゃないですかね」

泡盛取り巻く状況と新たな楽しみ方

県酒造組合の統計によると県内の泡盛の出荷量は2004年をピークに減少傾向にあり、おととしは前年よりも増加したものの、ことしから酒税の軽減措置の段階的な廃止が始まるなどメーカーにとっては歯がゆい状況が続いています。

どうすればより多くの人に手に取ってもらえるのか、そのヒントが那覇市にあるバーにありました。店内には年代物のウイスキーがズラリ、ただ、それらに負けず劣らず店の名物になっているのが泡盛なんです。

濱元晋一郎記者「ストレートなのできついと思ったが口当たりが柔らかくて、芳醇な香りがあり、甘くておいしい」

マスターの伊波興治さんは2000本以上の泡盛を所有していて、16年ほど前から泡盛のブレンドを独自に研究しています。様々なメーカーの泡盛や古酒を混ぜてツボや瓶で保管しながら熟成させていて、ブレンドする分量や種類によって風味が強まったり、さっぱりしたりするなど全く違った味わいになるということです。

泡盛取り巻く状況と新たな楽しみ方

酒楽Bar SUN・SHINE 伊波興治さん(ブレンドのいいところ)「甘味、うまみ、香りの配合を考えながらブレンドして、寝かせて飲み頃がいつになるのかというのがあり、度数によっても年数が違ってくるから自分なりの結果が出てきている」「華やかな香りをより感じられるように、提供するときにはワイングラスを使っています。」

さらに伊波さんはこれまで泡盛を飲んでこなかった人や若い人に向けた泡盛も提供しています。

「泡盛ライチカクテルです」

青色のリキュールや炭酸水などを泡盛に入れて作ったその名も「泡盛カクテル」で、涼しげな見た目になっています。

「すっきり」「ライチのすっきりな甘さがありながら、泡盛の風味もしっかり感じられる味わいで新しい味です」

泡盛取り巻く状況と新たな楽しみ方

酒楽Bar SUN・SHINE 伊波興治さん「レッドキュラソーという赤いものもあるんですよ、そういったものはピーチ味で作るとか、いろんなやり方があると思うんですよ」

使う泡盛によって味も変わるため、様々なものを試せるのも楽しみのひとつだといいます。

酒楽Bar SUN・SHINE 伊波興治さん「泡盛は沖縄の宝ではあるが、もっと世界に羽ばたいてほしいと思う」「自分はこれがいい、私はこれがいいと、そういった探し方も面白いんじゃないかと、お客さんからしても楽しみが増えるんじゃないかと」「おいしい、うまい、それをもっともっと感じてほしい」

先人から受け継がれてきた泡盛。自分の好きな味や飲み方を探しながら、ウチナーヌ名酒の世界を感じてみるのはいかがでしょうか?

泡盛が世界遺産に登録されるのは、来月2日にパラグアイで開催の政府間委員会で登録が決定する見込みです。