アメリカの大統領選挙でトランプ氏が再選を果たしました。この選挙結果の背景と、沖縄やアジア太平洋地域への影響について詳しく解説していきます。今日も前回に続き、このテーマに深く関わる取材を続けているメカラー・クラフト・ジュリア記者です。
ジュリア記者「大接戦が予想されていた大統領選ですがあっという間に決着が着き、トランプ氏の圧勝となりました。今回の大統領選は、私にとっても意外な展開となったのですが、まずは、ここ沖縄に暮らす人々がどう感じているのか、アメリカ人と沖縄の人々にインタビューを行い、それぞれがどのようにトランプ大統領再選を捉えているのか、率直な声を伺いました」
アメリカ人男性40代「正直言って、全然嬉しくないです 。(Q.何故?)アメリカ国民が、騙されてしまった」
アメリカ人男性20代「ここ数年でアメリカがリベラルになり多くの人が違和感を覚えた。それで、少し中間寄りに戻そうとした結果だと感じています」
県民女性20代「トランプ氏は色々な国と交流もありロシアの状況も収まるのかなと思う」
県民男性20代「トランプ氏は暴れん坊なイメージ。好きか嫌いかはどちらともいえない。大統領になったら怖いと思う」
やはり様々な意見があるようですね。
ジュリア記者「はい、県内在住の方々にとっても、賛否両論ある結果だという事が分かりました。次に、今回の大統領選挙について、トランプ氏がなぜ再選を果たしたのか、アメリカ国内の動向について見ていきます。お話を伺ったのは、ジョージ・メイソン大学でアメリカ政治と有権者心理を専門とするジェニファー・ヴィクター博士です。博士によると、今回の選挙では「反現職」感情が強く表れ、それがトランプ大統領再選の原動力となったという事です」
ジュリア記者「このグラフをご覧ください。始めは支持率の方が高いのですが、2022年の時点では支持しないと答えた割合が上回っています。今月4日の時点で、バイデン大統領の不支持率はおよそ56%に達し、支持率は38%となっています。このデータが示している事は、多くの有権者が現職政権に強い不満を抱いていると博士は述べています」
ジェニファー・ヴィクター博士「今回の選挙では、現職政党に対して経済状況への不満がかなり広がっていたように感じます。人々は物価の高さに本当に苛立っていて、バイデン大統領が『でも賃金も上がったし、経済成長も順調だから大丈夫だよ』と言っても、全く納得できなかったんだと思います」
経済を何とかしてほしいとトランプ氏にアメリカ国民が求めているのですね。
ジュリア記者「はい、経済問題は日々の生活に関わる事なのでこの選挙戦で最も重要な争点となっていました。次に、トランプ氏が再選後に指名を始めた閣僚人事についてお話しします。国務長官候補としてのマルコ・ルビオ氏、国家安全保障補佐官候補のマイク・ウォルツ氏が注目されています」
ルビオ氏はフロリダ州選出の上院議員で、対中国政策で強硬な立場をとってきたことで知られています。経済制裁や台湾との関係強化、南シナ海での中国の軍事行動への反対を訴えています。 また、ウォルツ氏はフロリダ州の下院議員で、元グリーンベレー隊員です。アメリカ軍の強化と地域同盟国との協力を重要視しています。
両者とも中国の影響力の抑制と台湾有事への対応を重視し、アジア太平洋地域でのアメリカの軍事力の強化を推進しています。
タカ派の議員が選出されているようですが、ここ沖縄に暮らす私たちにどう影響するのでしょうか。
ジュリア記者「これらの人事が沖縄にどう影響を及ぼすかについて、日本協会の代表でアメリカの外交・安全保障戦略に詳しいジョシュア・ウォーカー博士に伺いました」
ジョシュア・ウォーカー博士「今の状況を考えると、中国に対して強硬な姿勢を取ることがむしろ必要なのかもしれません。バイデン政権への批判の一つに、「ここから先は譲れない」明確な線引きを示してこなかった点にあります。ルビオ氏とウォルツ氏の両名は、日米同盟を支持しており、冷戦時代のように形だけの同盟ではなく、時代に応じた実質的な価値を持つ同盟関係を重視しているのです。」
ジョシュア・ウォーカー博士「日本、特に沖縄にとって、アメリカの新しい政策決定者たちと関係を築く良い機会となるはずです。沖縄と日本がアメリカの世界における役割、特にインド太平洋地域での重要性を十分に理解してもらうことが大切です。米中関係が変化し続ける中で、この地域の重要性はますます高まっていくでしょう」
さらに、ウォーカー博士は、沖縄が日本国内外で経済や文化的価値を発信し続けることが、日米関係全体に良い影響をもたらすと指摘しています。ビジネス志向のトランプ大統領にとっても、沖縄の価値を再評価することは戦略的に有益であると述べています。
賛否両論あるトランプ大統領政権下でも、沖縄の戦略的重要性は変わらないが、従来とは違うアプローチも可能になるかもしれないのですね。沖縄に直接関わる台湾有事などに関してはどうなのでしょうか。
ジュリア記者「はい、ウォーカー博士によるとアメリカが強い線引きを示す事によって、地域の安定に繋がると考えているようです。今回の選挙結果は、アメリカ国内の反現職感情によってトランプ氏が再選されたことを示しています。一方で、トランプ氏の非伝統的なリーダーシップスタイルは沖縄にとって、新たな安全保障や外交のチャンスを生み出す可能性があると考えられます」
ジュリア記者「その特異なアプローチは従来の枠組みにとらわれない柔軟な交渉を可能にする一方で、予測不能なリスクも伴うと言われています。トランプ政権の外交・安全保障政策を注視し、沖縄がどのように戦略的にアメリカへ働きかけるかが、今後の重要な課題となるでしょう。
ここまで、メカラー・クラフト・ジュリア記者と共にお伝えしました。