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沖縄の基地問題について県民、そして県外の皆さんにも『自分のこと』として考えてほしい」との思いから始めた玉城デニー知事のトークキャラバン。今回は東京都の法政大学で開催されました。

大学で考える「普天間飛行場の辺野古移設について」。法政大学で開催されたトークキャラバンには都内の学生を含め、およそ200人が参加しました。

榎森耕助(せやろがいおじさん)「赤いふんどしを履いて、政治とか社会について、沖縄の美しい海をバックに動画を発信しているんですが、知ってるぞ~という方、だいたい知っている感じですね、ありがとうございます」

「せやろがいおじさん」こと、えもやんが司会です

玉城デニー知事「見えますか?4パターンの玉城デニーを紹介します。一番右側の写真。ダビデ像みたいなカッコイイ写真ですけど」

トークキャラバンは2018年の知事就任後から続けており、今回で13回目。大学教授やジャーナリスト現役の大学生も参加してのパネルディスカッションも行いました。

玉城デニー知事「沖縄にある米軍専用施設面積合計すると約18483haです。これは東京都の面積の約8.4%、山手線の内側三つ分を足した広大な面積となっています」

基調講演では基地負担の現状や米軍による事件事故、環境問題。そして普天間飛行場の辺野古移設について、集まった学生らを前に「県民が不安や疑問を投げかけるのは基地問題と暮らしが密接に関わっているからだ」と強調しました。

玉城デニー知事「訓練演習に伴う航空機事故についても沖縄は多大な害を被っています。1996年、日米合同委員会は普天間飛行場の航空機騒音規制措置の一つとして、飛行場の上空を回る経路についてはできる限り、学校病院を含む人口が集中する地域の上空を避けることを設定。しかし2004年、海兵隊のヘリが沖縄国際大学に墜落する事故が発生しました。2017年、今度は普天間基地に隣り合わせている小学校に大型ヘリの窓枠が体育の授業中に落下するという事故が発生。そして、その事故が起こった後、この運動場には授業の時にもしそういうふうに上空をヘリが飛ぶときには逃げ込めることができるようにシェルターが作られました。日本のどこの小学校に米軍基地と隣り合わせで、子どもたちを逃がすためのシェルターが作られてる小学校があるのかということが沖縄の厳しい状況が続いている、つまり合意事項でさえ守られているという現状とは言い難い」

また軟弱地盤が見つかった普天間飛行場の辺野古移設をめぐっては、国土交通相が県に代わって承認する「代執行」をめぐる訴訟で県側の敗訴が確定した経緯を説明しました。

玉城デニー知事「私たちは国の法律を国に代わって判断してくださいという権利で判断したのに、何で向こうは認められて、私たちは認められないのですかと言ったら、最高裁判所はそういうふうに法律は書いてないからです、と。今回の普天間の(辺野古移設)問題、深い海の問題でもなく、環境の問題でもなく、日本の法律には法律を恣意的に運用されてしまう危険性と責任をもって法律に基づいて判断した都道県知事の権限が、法律によって奪われてしまうという重大な欠点があるということです。このことは学生さんよく覚えていてください」

玉城知事は最後に「沖縄の基地問題を通して正しい未来をどう話し合うか考えてほしい」と呼びかけました。

玉城デニー知事「憲法は改正しなくても、法律を改正してしまえばそれができるようになってしまうという将来を望むのか、それともそうではない正しい未来の姿を、自分たちが沖縄の基地問題や様々な問題を通して自分たちの未来をどう考えるか、皆さんで話し合っていただくか。一つ一つの問題はそういうことをみなさんに問いかけていることをぜひ受け止めていただいて、日本の将来、地域の将来、国民にとっての権利とは民主主義とは一緒に考えていただければと思う」

ディスカッションには県出身の大学生・崎浜空音さんも登壇し、学生である自分たちができることを伝えました。

崎浜空音「(榎森:崎浜さんに基地問題を知ったうえで学生にできることは?)実際に一人の力は小さく見えてしまうかもしれないけれど、わたしは大きな力だと思っている。知って、そのあと行動することが一番大事。でもみなさんは一つ大きな力を持っている、選挙に行くことができる。投票して政治家を変えて政府を変える。そして国を変えることで沖縄の現状は絶対変わると思う。その一人の一票は全然小さくないし、大きい。1票が10票100票1000票と大きくなって、ゆくゆくは沖縄の辺野古の問題地位協定の問題も変わると強く信じています」

参加者(学生)「ヘリの事件や小学校の事件とか、東京で育ってきて学ぶ機会がなくて。自分にできることは何か考えた時に、私は普段、若者の政治参加の活動をしているんですが、選挙の争点化するところがまだまだできてないと思って、自分なりにできることをやりたいと思った」

参加者(学生)「安全保障とか何も考えないと、沖縄にあるのはしょうがないと思う。実際に沖縄に住んでいる方や子どもたちが不利益を被っている。沖縄だけの問題ではなくて日本全国の問題というところもあった。日本国民の一員として私も他人ごとではないと考えていきたい」

参加者(アメリカからの留学生)「父も母もルーツは沖縄で、母はうるま市育ちで、父はサンフランシスコ生まれ育ちの日系三世です。リアルな当事者としての経験を生で聞けたのは大変貴重だったと思う。本音を申し上げれば、アメリカ人として、沖縄が置かれている現状は反省というか罪悪感というか、アメリカにも多大な責任感があると思う。沖縄と日本とアメリカを結ぶものとして、一番向き合える社会問題です」