うれしいニュースが入ってきました。QABで先日、お伝えしていた太平洋戦争の影響でフィリピンで無国籍状態となっていた男性の国籍回復手続きについて裁判所が認め、現地を訪れている親族が、本人に伝えました。
国籍回復を申請していたのは、沖縄出身の父を持つ、残留日本人2世のアカヒジ・サムエルさんです。
サムエルさんは1942年生まれで、太平洋戦争の影響で父親を地元のゲリラに殺害されました。父系の血統を採用する規定だった、当時の法律のもとで、日本国籍となるはずでしたが、当時の混乱で証拠書類が失われ無国籍状態のまま暮らしています。
サムエルさんは、2023年、就籍を支援する団体のサポートを受け父の故郷である沖縄を訪問し、写真や家系図など証拠を集め、2024年4月、那覇家裁に国籍回復のための籍を新たに作る「就籍」の許可を申し立てました。
支援団体によりますと8月13日付けで裁判所から「就籍」の許可がおり、その内容はサムエルさんを受け入れていた親族にも伝えられました。
親族らは、11月15日サムエルさんのもとを訪ね、父親が殺害された現場に赴くと、沖縄から持参した線香やお菓子を供え手を合わせてました。
そして、サムエルさんの「就籍」が認められたことを伝えると、サムエルさんは「ベリーハッピー!」と話し、香村幸男さんは「ハッピーでいいじゃないですか」と話し、島袋恵子さんは「「みんなの力を借りて私たちがきょうここに来れたのは、皆さんのおかげだと思っているので、喜んでいただけると嬉しいです。日本国籍取得、おめでとうございます。」と伝えました。
みんなで喜びを分かち合っていました。
就籍を支援したフィリピン日系人リーガルサポートセンターによりますと、2004年からこれまでの就籍許可者は318人で、このうち、父親が県出身者のケースは、今回を含めて66人目となります。