さて、投開票があさってに迫った衆院選。QABでは各選挙区の選挙戦の様子や、候補者の訴えを特集でお伝えしてきました。
最終回のきょうは、沖縄市やうるま市、名護市など沖縄3区。選挙戦を駆け抜ける、3人の顔ぶれと訴えを紹介します。
沖縄市やうるま市、名護市と国頭郡の町村を含む沖縄3区には届け出順に立憲民主党公認で前職の屋良朝博(やら・ともひろ)さん、自民党公認で前職の島尻安伊子(しまじり・あいこ)さん、参政党公認で新人の新城司(しんじょう・つかさ)さんの3人が立候補しています。
2021年の前回の総選挙で苦杯をなめた、立憲民主党の屋良朝博さん。雪辱を果たすべく、子育て支援や基地問題への対応を訴え、選挙戦に臨んでいます。
屋良朝博候補「こんな貧困を作ってしまう、自民党と公明党の政治を変えていかなければ」「一人一人が豊かに、この島で生きるような、そんな政治を作っていきましょう」「平和な沖縄、平和こそ未来、平和こそ私たちが子どもや孫たちに確実に残すことができる。そのような訴えを続けてまいります」
激戦が伝えられ、各社の情勢報道でも分析が分かれる中、選挙区の議席を取り戻そうと、応援弁士も駆けつけます。
立憲民主党代表代行・辻本清美氏「屋良さんを先頭に、皆さんの暮らしを守るために、政権を取り換えていただきたい」
沖縄3区は、玉城知事から引き継いだ選挙区。知事も応援に、力がこもります。
玉城デニー知事「屋良さんは2期5年間、国会で様々な形で沖縄の疑問を政府に投げかけてきました」「国の政治の形を変えていくための沖縄県民の声を形に実現するための方向に繋がっていくことは間違いありません」
そして、新基地建設現場の辺野古を抱える3区。国会でも基地問題の追及を続けてきた屋良さんは、正面から反対を訴えます。
屋良朝博候補「普天間の問題。任せてください。辺野古の海を埋め立てなくても解決する策はたくさんあります。国会に戻ってそのプランをしっかりと提示し、議論を巻き起こしていきます」
一方、前回の総選挙では勝利を収めた、自民党の島尻安伊子さん。今回の選挙戦では、選挙区内各地などの事業実績と、さらなる進展を訴え続けています。
島尻安伊子候補「特に沖縄振興を前に進めるためにも、私たちの自民党・公明党の連立政権でもってまた仕事をさせていただかないといけない」「この中北部の発展。これがこれからの沖縄の発展のエンジンになることは、明白であります」
自民党選挙対策委員長・小泉進次郎氏「この考え方だったら予算を付けられる」「具体的に一つ一つをつなげていくのが政治の役割なんです」
自民党副総裁・菅義偉元総理「島尻さんほど地元のために、多くの事業を実現する政治家というのはなかなかいないと思います」
選挙情勢をにらむのは、島尻さんの陣営も同じ。自民党本部からの応援弁士も続々と入っていました。
沖縄担当大臣の経験もある島尻さん。「ライフワーク」と語る子どもなどの貧困対策や、若年妊産婦の支援についても、強調しています。
島尻安伊子候補「若年妊産婦、16歳以下で妊娠出産する女性のための居場所の拡充をやっていきたい」「せっかく沖縄に生まれた赤ちゃんの命が、すくすく、健康に、明るく育っていく」「こうした環境をつくるのは、私たち大人の責任であって、政治の責任であると考えているところであります」
新城司候補「私、新城を信じてください」「みんなが安心して暮らせる豊かな社会の実現のため、共に頑張っていきましょう」「日本をなめるな」
公示日、出身地の国頭村奥で第一声を発していたのは、参政党新人の新城司(しんじょう・つかさ)さんです。
新城司候補「私はやんばる出身ということもありまして、第一次産業を守り強化していきます」「(食料の輸入が)それがもしストップしてしまったら、島国である沖縄は、皆が食べる食料が確保できるのか。心配であります」
第一次産業の強化、積極財政や減税、子育て政策などを訴えています。オール沖縄勢力と、政権与党・自公の前職の対決に、割って入る形で出馬した新人の新城さん。応援演説で沖縄入りした、応援弁士も、第3の選択肢だと強調します。
参政党・神谷宗幣代表「思想的にも中立で、新しい選択肢があったらいいなと思われた方。いらっしゃるんじゃないかなと思います」
辺野古新基地建設をはじめとしたアメリカ軍の基地問題のほか、本島中北部地域では経済振興やインフラ整備でも多くの課題を抱えている、沖縄3区。有権者が信任するのは果たして、どの候補なのでしょうか。