動画サイトYouTubeに投稿された映像が流出したことを受け、那覇地検や第11管区海上保安本部は5日朝から対応に追われています。
那覇地検は5日朝から担当者が緊急の会議を開き、流出問題の対応について協議。第11管区海上保安部によりますと、映像が流出した可能性についてこれまでにわかったところでは、中国船長逮捕の時にマスコミに配布する為のDVDを総務で用意したが、映像が非公開となったため、これらはすべて消去したということです。
なお、映像の真偽やでどころについては調査中としています。
衝突の状況を撮影したと見られる映像の流出を受け、最高検察庁と海上保安庁が調査に乗り出しました。石垣海上保安部には5日、本庁から派遣された調査を行う職員が入りました。
石垣市の中山義隆市長は「これが出た事で国が取った対策というのか、釈放したとき、間違いだったんじゃないかという感じになりますよね」と話しました。石垣市民は「もっと早くみんなに見せるべきだったんじゃないか。こんなどこかから流れるよりは」「みんなに公開してもらったほうがいい、全国の人に。知ってもらったほうがいいんじゃないか」と話しています。
また仲井真知事は「あの地域は漁場であり、いろんな地域から漁船も集まってくるところ。平和裡に落ち着けてもらいたい」と話しています。
「流出が問題ではない」
外交問題・専門家はこう見る
沖縄国際大学の佐藤教授は、尖閣のビデオが流出した問題以前に安全保障だけではなく外交までアメリカ任せにしてきた日本政府の責任を指摘しました。
沖縄国際大学の佐藤学教授(行政学)は「(日本政府が)領土問題は存在しないと言っても、実際に問題になっている。日本は領土問題に関する外交をしないでこれまでやってこられた。結局全部アメリカに任せてしまう。だから、今どうすればいいのかわからないということだと思う」と話しました。
佐藤教授は「アメリカが外国の領土問題に関わる理由はなく、尖閣の緊張と沖縄の基地問題を結びつけることは大きな間違い」と指摘しました。「日本の世論というのは、だから辺野古に基地を造らなくてはいけないという話になって、説得材料として使われてくると思う。アメリカが尖閣を巡って日本と一緒になって中国と闘ってくれるだろう、辺野古に新基地を造れば、アメリカは尖閣を守ってくれるだろうという、こういう期待は絶対外れますから。これはあり得ない」と話しています。