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琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊和雄さんです。よろしくお願いします。

湊和雄さん「よろしくお願いします。」

さて今回のテーマはこちら「猛暑対策の水分補給?」

湊和雄さん「今週は熱帯低気圧や台風の影響を受けていますが残暑はまだまだ続きますね。山城さんは暑いと欲しくなるものはなんですか?」

やっぱりwaterですかね。

湊和雄さん「水ですね、やんばるの動植物も水分補給が必要なんですよ。チョウと言えば、花の蜜を吸う姿をイメージでしょうけど水もよく飲むんです。今回はチョウの水分補給を見て行きましょう」

さっそくVTR見ていきましょう。

リュウキュウの自然「猛暑対策の水分補給?」

湊和雄さん「地面に同じ種類のチョウが集まっています。イシガケチョウです。これは土に染み込んだ水分を飲んでいるところなのです。次から次へと飛んできますね。」

よほど美味しい水なのでしょうか?

湊和雄さん「一番多いところには、こんなに密集しています。ざっと数えても10匹以上います。」「頭部付近をアップで見ると、細いストローのような口を伸ばして、盛んに地面を吸っています。この行動を「吸水行動」と呼びます。」

2匹並んで仲良く吸水していますね。

湊和雄さん「こちらは1匹ですが、口ではなく反対側、(翅で隠れていますが)尾の先を注目してください。」

水滴ですか?

リュウキュウの自然「猛暑対策の水分補給?」

湊和雄さん「水滴がポタポタと見えましたか?」「こちらでは、尾のはしを真後ろからアップで見てみました。実は、吸水行動は飲むだけではなく、排出もすることが多いのです。これを合わせて「ポンピング行動」と呼びます。」

湊和雄さん「別の種類でも観察できます。こちらもよく見られるシロオビアゲハ。やはり、「飲む」と「出す」両方が見られます。」「もっとアップで見てみましょう。」

よくわかります!

湊和雄さん「かなり頻繁にポンピング行動が見られます。そしてここでは、イシガケチョウとシロオビアゲハが混ざっていました。」

水を飲むのは喉が渇いたときのはずなんですが同時に排出も繰り返すのは不思議ですね。

リュウキュウの自然「猛暑対策の水分補給?」

湊和雄さん「次は、あの枯葉に擬態していることで有名なコノハチョウが2匹。そこにイシガケチョウも飛んできました。」

水を探してるんですかね?

湊和雄さん「そうなんです盛んに口を伸ばして水を探していますね。実は、このコノハチョウは雄なんです。チョウの吸水行動は水分補給というよりも、水分に含まれるミネラル分の摂取のためだと言われています。それを摂取するために、余分な水分は捨ててしまうのです。」

コノハチョウも、余分な水分捨てていますね。

湊和雄さん「こちらはナガサキアゲハの、やはり雄。何故、吸水行動は雄だけかと言うと、雄として成熟するのに必要な栄養分の摂取のためだと言われています。と言っても雄と雌の区別は難しいですよね。」

リュウキュウの自然「猛暑対策の水分補給?」

湊和雄さん「しかし、ナガサキアゲハは一目瞭然。先程の黒いのが雄。この白いのは雌なんです。雌は花の蜜を吸っていますね。つまり、吸水行動は若い雄だけが行うものなのです。」

今回も貴重な映像ありがとうございました。リュウキュウの自然でした。