今を生きる人たちに注目する「IMAGINEおきなわ」です。以前、このコーナーで好きを原動力に生きる50人のうちなーんちゅの夢を記した1冊の本を紹介しました。この本をきっかけに子どもたちの夢を「支援する取り組み」が広がりを見せています。
「古きよき市場を残したい」「世界中に多様性と平和な価値観を広げていきたい」沖縄が本土に復帰してから50年を迎えたおととし出版された1冊の本。「沖縄を愛するうちなーんちゅの夢」通称 ”夢の本”“好き” を力に未来を生きる50組の夢人を紹介したこの本には、ある「特別な思い」が込められています。
沖縄ドリームプロジェクト中村圭一郎代表「離島の子供たちは15歳の春に卒業して離島や地域を離れていくことになるので」
島に高校のない子どもたちは、いわゆる15の春に進路の選択が訪れます。将来進む道を決める際に同じ「うちなーんちゅ」の多様な生き方、夢を知ることがきっと役に立つはず。
沖縄ドリームプロジェクトはそんな思いでこの書籍をつくり人生のバイブルのひとつにしてほしい、と個人や企業に寄付を募って「県内すべての中学2年生」にプレゼントする取り組みを開始。これまで19の市町村・3708冊が寄贈されました。ただこのプロジェクト、「本を届けること」がゴールではないんです。
沖縄ドリームプロジェクト中村圭一郎代表「彼らの夢を何て言うのかそっとサポートできる大人でいたいなと思っていて、中学生に夢を描いてもらう私達がそれを支援していくような仕組みを一緒に作っていきたいと思っている」
実は、本を手にした生徒たちにはあるチャンスが。自分の夢を作文・動画で表現しそれがドリームプロジェクトの目に留まれば想いに賛同する企業から「夢」に近づく機会が与えられることになっています。
例えば「理科が好きで研究がしたい」という生徒には研究施設で「1日研究し放題券」を贈ったり「ダンサーになりたい」という夢であればプロのダンサーを派遣したり子どもたちには経験・体験が提供されます。
夢をサポートする仕組みづくりに奔走する中村さん。選考を前にあるイベントを企画していました。それが生徒と大人の交流イベント「ドリームキャンプ」です。夢を実現するきっかけにしてほしいと設けられこの日は県内各地19人の中学3年生が集まりました。中には
夢 音楽関係の仕事 伊是名中 上原千愛さん「伊是名島から来ました」「他の学校の人たちとたくさんお話できる機会がなかなかないので、いろんな人たちの意見や話を聞いて自分をもっと高められたらいいと思う」
準備運動も万全に、まずは本に登場する夢人を始め「大人」の声が直接聞けるレクリエーションから!アドバイスが受けられるとあって積極的に質問したりと子どもたちの表情も少しずつ和らいできました。そのあとは、助言を元に「こうありたい」という自らの夢・好きという気持ちを画用紙にビジュアル化していきます。
夢 うちなーぐちを広めたい 玉城中 金城利知さん「頭の中で考えているうちはあんまり像が思いつかないが、こうやって形にすることでよりはっきり自分の目標が見えてきたと思う」
夢の輪郭がつかめてきたところで、夢人(CMディレクター)福永周平さん「夢動画を撮ろうというものをやってもらいます」
ここからは今回のメインイベント「夢動画」の作成!これまで多くのCMを手掛け夢の本にも登場するCMディレクター・福永さんとともに参加者が夢を30秒間のショート動画で表現するというものです。
CMディレクター福永周平さん「いい悪いじゃないです、自分の思いがちゃんと言えたか伝わったかが重要になる」
制限時間は30分間!慣れないことに手こずりながらもなんとか全員動画を撮り終えました。そして、いよいよ映像の上映です。生徒たちの「個性」あふれる映像に会場から大きな拍手が送られ、ドリームキャンプは大盛況で幕を下ろしました。
夢 小学校教員 伊豆味中学校 豊里希礼さん「夢の考え方はこうした方がいいとか、アドバイスもくれたりして改めて夢に対しての第一印象が変わったというようなそんな感じがある」
夢 うちなーぐちを広める 玉城中学校 金城利知さん「不安だったり焦りとかいろいろあったんですけど夢に希望を持つことができました」
夢 音楽関係 伊是名中 上原千愛さん「夢って何か一つじゃないと駄目なんだと思っていたのが、可能性は一つではないからいろんなことに挑戦していいと気付かせてもらえたとても充実して本当に心の底から楽しめた」
沖縄ドリームプロジェクト・中村圭一郎代表「子供たちの笑顔がすごく印象的で、何か彼らの成長にもつながったのかなと思って大変うれしく思う」
「大人の皆さんもこの子どもたちに直接接してみることで自分たちがどういうところに何を支援していけばいいのか見えてきたような気がしているので大成功だと思う」
一冊の本から広がる支援、子どもたちの可能性。夢を持って「今」を生きる大人の姿が島の未来へとつながっていきます。
1冊の本からスタートしたこのプロジェクトの集大成、ことしは作文・VTRの審査を経て14人の子どもたちの夢を支援することが決まったそうです!(155人の応募があった)
その子どもたちの表彰や夢人が登壇するドリームアワードが来週21日(土)@イオン北谷で開催されます。詳しくは「沖縄ドリームプロジェクト」で検索してみてください。