※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊和雄さんです。よろしくお願いします。

湊和雄さん「よろしくお願いします」

今回のテーマは「オールーチンナン」です。チンナン…カタツムリですね。

湊和雄さん「はい。今回はカタツムリを紹介します。最近、方言名の話をしますが、方言名は特定の1種類だけではなく、グループなどに付けられて1種類に絞れることが少ないのですが、これは他に間違いようがありません。青いカタツムリという意味ですね。一般的なカタツムリとは、ちょっと違った姿と生活なんです」

さっそくVTRをご覧ください!

リュウキュウの自然「オールーチンナン」

湊和雄さん「まず、一般的なカタツムリの姿の確認をしておきましょう。沖縄では、ごく普通に見られるオキナワウスカワマイマイという種類です。植物の葉の上にいて、葉や茎を餌にします」

よく見ます!

湊和雄さん「触角は長いのが1対、短いのが1対.計4本ですね。そして触角の先端に眼が付いています。そして、これが今回の主人公オールーチンナン。その名の通り青いカタツムリです。和名ではアオミオカタニシ。植物の緑の中で活動していると、保護色の働きがある体色です」

葉っぱの色とそっくりです。

湊和雄さん「斜め前から見ると、まず触角が2本しか見えませんね。そして、黒っぽい小さな眼は、触角の先端ではなく根元に付いています。これが一般的なカタツムリとの最大の違いです」

可愛らしいですね!

湊和雄さん「そして触角の付け根の部分が半透明ですが、盛んに動かしていますね」

何か食べているのでしょうか?

湊和雄さん「これが次の違いに繋がります。こちらは、葉の上ではなく木の幹の上にいます。しかし、やはり盛んに口を動かしています」

葉だけではなく木の幹まで食べているということですか?

リュウキュウの自然「オールーチンナン」

湊和雄さん「その答えの前に、もうひとつの姿の違いを見てみましょう。殻の入口というか殻と胴体の間に白い薄いヘラのような物が見えていますね(矢印) これ、殻の中に胴体をしまったときのフタなんです。一般的なカタツムリにはありません。むしろ海や川にいる巻貝に見られるものですね。これが、オカタニシの由来のひとつです」

湊和雄さん「こちらは、より細い枝の上を移動していますが、こうして見ると、触角が長く盛んに動かしているのが分かります」

もし、この先端に眼があったら、大変かも?

湊和雄さん「本当すね! 少し逆光気味で見ると、先ほどの触角の間の部分(ピンク色?)の動きがよく分かりますね。実はここは口なのです」

すごくモグモグしていますね!何を食べているのでしょうか?

湊和雄さん「葉や幹、枝の表面を盛んに舐めて、菌類を食べていると言われています。一般的なカタツムリが葉や茎をかじって食べるのとは違いますね。食べれば、当然排泄もします。殻と胴体の間に見える茶色の小さなな粒々が糞です」

リュウキュウの自然「オールーチンナン」

湊和雄さん「こちらは再び葉の上です。かなり動きが速いですね」

カタツムリってゆっくり動くイメージがありますが、意外ですね。

湊和雄さん「アオミオカタニシは、このようなヤマタニシ(科)というグループに属します。ヤマタニシ科には他にも複数の仲間がいます。これはヤマタニシの仲間ですね」

殻を見るだけでは、区別がつかないですね。

湊和雄さん「このように緑色なのはアオミオカタニシ1種類だけです。なのでオールーチンナンはアオミオカタニシと特定して間違いありません。夏の終盤にカタツムリの観察はふさわしくないと思われるかもしれませんが、夏の終盤はスコールも増え、台風の発生も増加しますから、意外にチャンスは多いのです」

湊さん、今回も貴重な映像ありがとうございました。以上、リュウキュウの自然でした。