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首里城再建の過程と復興への思いを伝える「週刊・首里城」です。2026年秋の再建を目指す正殿では来週、瓦葺き作業が行われます。その前に重要な作業の一つ土居葺きと呼ばれる雨水対策が始まっています。

今週首里城で行われていたのは屋根の「土居葺き」トントンと音を立てることから「トントン葺き」とも呼ばれ正殿の再建に欠かせない工程の一つです。

児島工務店道繁康職長『(火災で)すごい本当に切なくなって、美しいあの首里城をまた見たいと思っていたんです、その時は呆然としていたんですけど』こう話すのは、土居葺き作業を指揮する道繁康さんです。

第7回 週刊首里城「土居葺きに携わる道繁康さん」

2026年秋の完成を目指す首里城正殿。5月には屋根や軒回りの木工事が一区切り。建物の悠久の安泰を願う工匠式も執り行われ、着々と在りし日の姿が蘇えろうとしています。

児島工務店道繁康職長『土居葺きとは、瓦から雨水が漏れたり雨水を建物内部に侵入させないための板葺きの工法です』

そもそも「土居葺き」とは瓦を正殿に乗せる「瓦葺き」の前に行う工法で建物への浸水を防ぐ「雨水対策」として主に神社・仏閣など屋根に瓦がある文化財に施されています。

児島工務店道繁康職長『土居葺きの材料は、椹という木を使っています、椹っていって馴染みがないと思うんですけど、桶とかに使っている材料なんですけど、長野県木曽の国有林から持ってきて使ってます』『(椹材は)加工しやすく、粘りがあり油があって水に強いんです水をはじく効果があります』

第7回 週刊首里城「土居葺きに携わる道繁康さん」

作業は、職人が厚さ3ミリの椹板を数枚上下に重ね合うように並べ口に含んだ竹釘を取り「屋根カナ」と呼ばれる金槌でテンポよく竹釘を板に打ち込みます。その速さ、僅か1.5秒、職人技に目が釘付けになります。

天然の木材を使用しているため湿気を吸収し自然に換気ができることから建物の風化を防ぐ存在となってます。

使用する椹材は、熟練の板割り職人が「こへぎ包丁」を使い1枚1枚丁寧に手割りで行い、職人4人で4か月かけておよそ14万枚つくり、そこから更に2か月間かけて乾燥させて完成します。気の遠くなるような作業ですが、道繁さんの原動力となっているのは…

スケッチブック読む『美しい首里城が早く見たい』児島工務店道繁康職長『(再建に)関われる、あの美しい首里城の復元工事に関われるというのが本当に家族もそうですし父親も母親もすごい喜んでて自分も誇りに思っています、一生懸命首里城のために美しい首里城のために作業できることが光栄です』

第7回 週刊首里城「土居葺きに携わる道繁康さん」

土居葺きにはメンテナスが要らないと道繁さんは仰ってて「椹材は長くて200年は今の状態を保つことができる」と話していました。

今後、「土居葺き」された椹材を見る機会があるとするならば正殿の瓦の張替が行われる時期にしか見られないことから、いま葺かれている貴重な「椹を是非、見に来てください」と道繁さんは笑顔で話してくれました。