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2023年、少女に性的な暴行を加えたとしてアメリカ兵の男が起訴された事件を受け市民団体が、2024年7月1日、外務省に対して日米が合意した「通報手続き」の徹底などを要請しました。

外務省沖縄事務所を訪れたのは、オール沖縄会議の共同代表ら8人です。メンバーは、宮川学特命全権大使に対して、アメリカ兵による性的暴行事件に抗議し日米が合意した「通報手続」の徹底や事件の事実関係と政府の対応の経過を明らかにすることなどを求める文書を手渡しました。

そのなかでメンバーは、今回の外務省の対応について「プライバシー保護という言葉で事件を隠ぺいしないで欲しい」と強く訴えました。

要請したメンバーは「非常に重大な事件をプライバシーの保護というのに入れ替えてね隠ぺいするようなことはやめなさい」と述べました。

要請を受けた宮川大使は、「早急に改善策を示しアメリカ側にも事件をしっかり伝える」と述べました。


米兵事件「通報体制の形骸化?」記者解説


米兵事件でオール沖縄会議 外務省の特命全権大使に抗議要請

ここからは船越記者とお伝えします。

船越記者「今回の一連の流れを改めて整理したいと思います。まず、去年12月に事件が発生し、その後、ことし3月に容疑者が起訴されています。起訴を受けて、外務省はアメリカ側に抗議しています。」

船越記者「その後、先月25日に報道により事件が発覚。また、28日には5月に海兵隊員による事件があったことも判明しています。最初の事件発生から報道で事件が発覚するまで半年ありましたがその間、県は情報を知っていませんでした。」

なぜ県は知らなかった?情報共有されていなかった?

船越記者「在日米軍による事件・事故が発生した際の通報手続きが日米で合意されていますが、今回、通報の手続きが機能していなかったのではないかと思います。」「在日米軍による事件事故が発生した際、政府や米側は沖縄防衛局を通して県に連絡する仕組みがある。」

船越記者「今回の事件について、この連絡はどうなっていたのか。外務省沖縄事務所の宮川学大使はおととい報道陣の取材に対し「(防衛局には)伝えている」「時期は差し控える」と答えています。一方で、防衛省側は「沖縄防衛局に連絡がなかった」としていて両者の間で食い違いが発生しています。」

米兵事件でオール沖縄会議 外務省の特命全権大使に抗議要請

外務省側の「伝えている」というのがどのタイミングなのかわかりませんが、防衛省側が「連絡がなかった」としているところをみると連絡手続きがうまく機能していなかったようにみえますね。

船越記者「また捜査をしていた県警は米軍人による事件事故が発生した際、報道発表と同様に県にも情報共有することになっていますが、今回の事件については「プライバシー保護の観点から報道発表しておらず、被疑者を検挙、送致の段階で県に情報共有していない」と県に情報共有していないことを明らかにしています。」

船越記者「被害者のプライバシー保護は重要です。その一方で、県民を守るために同様の事件を再び発生させないようどう対処するのかというのも迅速に行うことも重要です。」「プライバシーの保護が守られる形で、関係機関で情報共有を行い新たな被害が出ないようどう対処し連携していくのかという取り組みが関係機関の間で求められると思います。」