県が発表した中学校の給食費無償化の案について、県市長会は2024年6月6日「地域間の格差が生じる」などとして玉城知事に撤回を求める決議を提出しました。
県市長会会長・桑江沖縄市長は「事前の調整もなく、一方的かつ唐突に決定し、発表したことは非常に残念で、到底受け入れられるものではない」と述べました。
市長会が、2024年6月6日、知事に手渡した要請決議では、県が、2024年5月発表した中学校の給食費無償化事業が財源の半額を市町村に求めていることなどで「世代・地域間格差が生じる」とし無償化案の撤回や県の負担での学校給食費無償化などを求めています。
知念覚那覇市長は「この県事業は、撤回していただきたいということが共通認識。先が見えない子ども政策だと思う」と述べました。
市長らは、自治体の財源によって補助内容が異なる可能性や発表前の市町村との調整不足などを指摘しました。
「柔軟性を持って考える」 給食費無償化めぐる自治体からの意見に玉城知事
自治体から厳しい声があがっている給食費無償化をめぐる動きについて玉城知事は2024年6月6日の定例会見で「柔軟性を持って考えたい」との考えを強調しました。
玉城知事は「柔軟性をを持った形で、市町村の意見をしっかりと聞かせていただくということで、格差のない、そういう制度として、確立していけるというように考えていますので引き続きその実現に向けて市町村と連携して取り組んでいきたいと思います。」と述べました。
市長会からの要請を受けた後に行われた会見の中で給食費の無償化について問われた玉城知事はこのように述べ給食費無償化の早期導入に向けて取り組む考えを示しました。
また、自治体との調整不足などの指摘の声があがったほか市長会は、県が示している案を撤回し県が負担する形での無償化を求めていますが玉城知事は、今回、県が示した案は、「ベーシックなもの」との考えを示したうえで
「このベーシックな案にいろんな意見を踏まえていって、より良い活用しやすい、活用できる、そしてそれをご家庭に還元できるということが、この方が確実だねっていうことであれば、私は柔軟性を持ってその制度を組み立てていく方がいいだろうなというふうに考えています。」と述べました。
玉城知事は、今後、市町村との意見交換を踏まえ県が示している案を修正する可能性も示唆しました。