那覇市のギャラリーで、ある個展が始まりました。
それは、木材を使い制作する「ウッドバーニング」というアートを紹介するもので、今回、個展を開いた「女性」にスポットをあてます。
この女性、あのキャラクターと深い縁があるんです。
じっ。とこちらを見つめるワニの目。今にも動き出しそうな、カニ。つぶらな瞳が愛らしい、ケラマジカ。とってもリアルなこれらの作品は「ウッドバーニング」というアートです。
描いたのは、こちらの女性。和宇慶茜(わうけ・あかね)さん。
「ウッドバーニングは、私の場合ははんだごてを用いていまして、板にコーヒーでまず下書きをして、その上からはんだごてで焼きながら描いている技法になります」
木材を焼いて描く、だからウッドバーニングなんですね。
和宇慶さん「木材屋さんに行ったときに、節目とか木目がないまっさらな板ってなかなか見つからなくて、であれば木目や節目を生かした作風の方が制作のときに迷わずに済むかなと」
そんな和宇慶さんですが、実はQごろ~の「生みの親」なんです!
2006年にQABでマスコットキャラクターを募集したとき、県立芸術大学の3年生だった和宇慶さんが応募して選ばれたのです!その後結婚を機に東京で暮らし、出産や子育てに追われてアート活動はお休みされていたという和宇慶さん。
2016年に沖縄に戻ってきたのをきっかけに、作品づくりを再開します。そのとき始めたのがウッドバーニングでした。今は「黄昏工房(たそがれこうぼう)」という作家名で活動、2年前からは沖展にも出品しています。
和宇慶さん「2022年が奨励賞いただきまして、2年目の2023年が入選、今年沖展賞と入選いただいています」
沖展の入選作品も会場で実物を見ることができるんです!
和宇慶さん「出品最大サイズのポスターを出品しまして、後ろにある原画を元に潜熱というタイトルをつけて、ポスターで見えていない部分、原画の方が高さもあって大きな作品で実は隠れている生きものがいたりするので、ぜひ原画をご覧頂きたいなと思います」
実際どんな生きものがいるかは、見てのお楽しみです。
来場客「今日見られて良かったです。初めての感じ。うれしいです、出会いが」
来場客「たまたま私が今日大島紬着ているんですけど、その産地を見に最近行って来たばかりで、奄美の自然を体験してきた ばかりだったので、動物とかもそうですけど自然や動物、そういったものってすごく大きなエネルギー貰えるなっていうのを感じた」
そう、今回の作品の全ては「生きもの」がモチーフになっています。
和宇慶さん「幼少期、アウトドア好きな父に連れられてやんばるで遊んだ思い出がありまして、それが自分の下地になっていると思っていまして。去年からずっと個展をしたいっていう希望がありましたので、それに向けて先ずコンセプトを詰めるところからスタートしています」
初めての個展に選んだタイトルは「潜熱(せんねつ)」。潜熱とは本来、物の状態が変化するために必要な熱やエネルギーを意味する言葉。
和宇慶さん「私自身の情熱、積み重なっていった情熱を表現したいっていう思いと、板から動物たちが現れてくるような生命エネルギーを描きたいっていうことで、この潜熱っていうコンセプトがどの作品にも反映されるように、生きものっていう今回のテーマとして設定しています」
板の中に息づく生きもの達の生き生きとした表情を見て欲しいという和宇慶さん。
和宇慶さん「板との出会いが大きくて、見た瞬間に「描いて」って言ってくれているような気がするときはあります。私はワニだよって言ってるような。一作品仕上げるごとに新しい発見があって、次はこうしたい、その次またこういうことにチャレンジしたいっていうチャレンジの積み重なりでどんどん作品が生まれているっていう」
このウッドバーニングアート展「潜熱」は、パレットくもじ6階、那覇市民ギャラリーで21日(日曜日)まで開催しています。