今を生きる私たちが沖縄の未来を見ていく「イマジン沖縄」です。きょうは「ボウリング場」についての話題です。県ボウリング連盟によりますと7年前の2017年には県内には17のボウリング場がありました。しかし今はというと…
那覇市の小禄ボウル(2019年2月末閉店)沖縄市のワンダーボウル(2021年3月31日閉店)名護市のキタボウリングセンター(2021年6月20日閉店)宮古島の宮古ボウリングセンター(2022年1月閉店)の4軒が閉店。
県内のボウリング場は13軒に減ってしまいました。「建物が古くなったこと』が主な要因です。
そして今月末(31日)にも現存、県内で最も古い沖縄市の「コザ・ボウリングセンター」が閉店します。地域に愛されてきた憩いの場所に感謝と別れを惜しむ声が寄せられていました。
女性「多分みんな同じ思いだと思うんですけどね。」男性2人組「楽しいところがなくなるって考えたら寂しいけど、ありがとうって感じです(45)」
ピンを弾く音が響き渡る「コザボウリングセンター」は「コザボウ」という呼び名で親しまれてきました。県内に現存する最も古い憩いの場が今月31日で61年の歴史に幕を下ろします。
コザボウリングセンター 仲村伸太郎支配人「長年コザボウリングセンターを愛していただき、利用していただき、かわいがってもらって本当にありがたい、それは心から思う」
コザボウリングセンター 仲村伸太郎支配人「ここの裏にアメリカ軍の宿舎があったんですよ、もう60年以上前の話ですけど」
コザボウは1963年、本土復帰前のコザ市の繁華街近くに開業しました。
コザボウリングセンター 仲村伸太郎支配人「当時ベトナム戦争へ行く派遣される外人さんはお金を持っていてもしょうがないもんだから全部使うんです、給料もらっても1日でパッと(コザボウも)その恩恵を受けていた」
嘉手納基地が近かったこともあり、1960年から70年代のベトナム戦争が続いていた当時、コザボウにはアメリカ兵があふれていたと言います。今も入り口できらめくネオンも、その名残です。
國場政春さん(65歳)町田宗盛さん(78歳)「ゲート通りは外人もいっぱいいて、あのパワーには負けたね、パワーではどうしてもね、外人が結構多かった」
歴史あるボウリング場には長年通うボウラーも多くいます。
昭和54年(1979年)ってありますね 町田さん「54年って言ったら何歳になる?結構若いですよね、カツラ被っているのかなって思う」
毎週木曜に開催されているシニア会にはコザボウの歴史を知るシニアボウラー達が参加しています。
町田宗盛さん(78歳)「ずっと50年間ボウリング場通っているしね、よく通ったね」國場政春さん(65歳)「来たら仲間がいっぱいいるから、それが楽しかったですかね」町田宗盛さん(78歳)「そうですね、みんな友達、みんな兄弟みたいな(そうそうそう)」
町田宗盛さん(78歳)「たまにはアルコールも終わってから飲みに行ったり、ここでいろいろおしゃべりして、兄弟以上なんですよ」
町田宗盛さん(78歳)「ちょっとでも暇があるとすぐこっちにきて友達と会うのがとっても楽しみだったので、もう本当にありがとう(ございました)しかないですね」
松田文子さん(83歳50年以上通う)「みんなで集まるから楽しいさ~笑って過ごせるからみんなと、お家に居たら寂しいでしょ」
ボウラーとともにたくさんの歴史を重ねてきた老舗ボウリング場も時代の波には抗えませんでした。
コザボウリングセンター 仲村伸太郎支配人「閉まることを発表して、それからもう『残念だ、私たちどこでボールにすればいいの』と言葉でたくさん言われれば言われると、ちょっときつかったんですけど、だけどしょうがないですね」
これも雨漏り?閉店の理由は『施設の老朽化』です。
コザボウリングセンター 仲村伸太郎支配人「雨漏りが機械に落ちないように一応ビニールで処理してここに水を溜めるようにしている」Qこれって仲村さんがされたんですか?上って?コザボウリングセンター 仲村伸太郎支配人「はい」大変ですね~
天井には雨水のシミができていたり、穴が開いたりしてしまった所もあります。また、コロナ禍で客足が遠のいたことや設備費や電気料金の高騰など、物価上昇のあおりも受けました。
営業を続けていくためには施設の補強や改修、建て替えが必要で多額の費用がかかることもあり、仲村さんは葛藤の末に「閉店」を発表したのです。
國場政春さん(65歳)「いつもこっち来たら先輩たちいるから、わいわいがやがややりながら(ボウリングを)やるんだけど、それが無くなるということがとても寂しい」「閉まって寂しい、一言だね」
町田宗盛さん(78歳)「寂しいね」國場政春さん(65歳)「コザボーにはありがとうという、ひと言しかないし、ひと言といえば本当に長い間ありがとうございました、ですね」
松田文子さん(83歳50年以上通う)「もうどこも行けないね~と思った、年が年さ~ね」Q ボウリング場にかけたい言葉は?「ありがとうだね、遊ばせてくれてありがとう」
県内外から多くの惜しむ声が届けられていますが、仲村さんは最後の最後までいつも通りコザボウでの時間を楽しんでほしいと考えています。
コザボウリングセンター 仲村伸太郎支配人「日々を大切に一日一日を大切にお客さんに楽しんでもらうだけですよ。閉まることを考えて遊んでくださいと言ったら余計なプレッシャーがかかるから、それだけです。楽しんで最後まで投げていただければ」
愛されて61年。コザボウリングセンターは最後のその時までみんなの憩いの場であり続けます。